ブラックライト照射により各層が変色し、施工管理が容易に
HMPLAN 耐塩害性に優れた防食塗装「クリスタルジュエリー工法」がNETIS登録完了
HMPLAN(三重県松阪市・湊久幸社長)が開発した、橋梁の支承や添接部、橋台コンクリート部など腐食や劣化が生じやすい箇所を対象とした透明性を有する高耐久性シリコーンコーティング「クリスタルジュエリー工法」が、NETISに登録された。登録番号は、CB-220023-A。
施工は3種ケレン程度の素地調整で可能で、塗料は3層塗りとなる。同工法で用いる防錆防水形蛍光クリア樹脂塗料は、耐塩害性、耐薬品性に優れているとともに、ブラックライトを照射することで下塗りが赤、中塗りが緑、上塗りが青に変色する特性があり、層ごとの施工管理が容易になっていることが特徴。この色の変化が「クリスタルジュエリー工法」の名前の由来だ。
同工法では、躯体面上に撥水性に優れた化成被膜と特殊シリコーンを主成分とした強靭なシロキサン結合の塗膜を形成することで、長期に渡り、水分や塩化物などの腐食因子やオゾンの浸潤を防ぐことができる。この効果により、橋梁など構造物の鋼・ゴム・コンクリートへの防食・耐候性を有することから、桁端部などでは補修材を分けることなく鋼材から支承を含め沓座モルタルまでを一体として施工できる。また、支承においては鋼製支承やゴム支承のプレートだけでなく、ゴム支承のオゾンクラック対策にも合わせて塗布できるメリットを有している。
クリスタルジュエリー塗膜構成図
3層構成
1層目の施工状況(左:ブラックライト(BR)の照射がないと透明、右:照射すると赤く変色する。照射を止めると透明に戻る)
2層目の施工およびBR照射状況
3層目の施工状況およびBR照射状況/完成状況(クリアな塗料であり、コンクリートや鋼材の状態を確認できる)
防食性能はJIS H 8502、JIS K 5600複合サイクル(120サイクル)試験により、1種ケレンを施した金属溶射や重防食塗料と比較しても遜色ない性能を確認済みで、耐候性ではJIS K 5600キセノンランプ法を用いた促進耐候性試験を行い、光沢保持率100%を確保している。変形追随性についても、JIS K 6251 NRゴムおよびCRゴムに塗布した試験体を250%×5回以上引っ張ったが、コーティング材に割れや剥がれは認められず、耐オゾン性もJIS K 6251の試験体に96時間オゾンを当て続けたが割れや剥がれが認められていない結果となった。
すでに、西日本の自治体の橋梁補修工事で採用実績(橋梁6件、他橋梁以外の設備等補修工事で4件)があり、同社では鋼構造物の防錆塗装、ゴムのオゾン劣化塗装、コンクリートの中性化予防塗装の塗替塗装工事および新設工事への採用を働きかけていく。