重量88tのブロックをFC船「駿河」で架設
愛媛県 岩城橋 岩城島側の鋼桁架設を開始
愛媛県は9日、岩城島と生名島をつなぐ岩城橋の岩城島側中央径間部の最初の鋼桁架設を行った。同橋は、橋長735m、有効幅員7.5mの5径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋で、側径間および中央径間の一部までを192mのPC箱桁、中央部の351mを鋼箱桁とした混合構造となっている。両側のPC桁架設は完了していて、生名島側については鋼桁架設を進めている。
架設前の状況(生名島側から)
同(岩城島側から)
架設したのは橋軸方向14m×橋軸直角方向9.9m、重量88tのJ1-J2ブロックで、2,200t吊FC船「駿河」(深田サルベージ)を用いた。同橋の南東側には高圧線があり、高圧線中心から5mの安全保安距離まで架設時最接近距離が約15mとなることから、慎重に施工した。
架設前日には、現場から約1㎞北西にある係留場所の長江港で移動防護足場を設置したうえで、ブロックの吊り上げを完了させた。
架設前日に移動防護足場を設置して、ブロックを吊上げた
当日は、同港8時30分発の因島行きフェリーの通過を待ち、係留を解除して吊運搬を開始。約30分で現場に入域後、「駿河」の係留作業を行い、10時半ごろからワイヤーによって架設位置まで前進した。11時半過ぎにはブロックが所定位置にほぼ収まった状態となり、その後、J1側をボルトで添接し、荷重を受け替えて、玉掛けを外す作業を行った。
約30分かけて吊運搬を行い、現場に入域
架設が進む。高圧線が近接しているのがわかる
ブロックがほぼ収まった状況
今後、岩城島側ではエレクションノーズ(EN)によって残る9ブロックの鋼桁架設を行っていく。ENは1月上旬に架設する予定だ。
施工は岩城島側が鹿島・エムエムブリッジ・富士ピー・エスJV、生名島側が三井住友建設・三井住友建設鉄構エンジニアリング・昭和コンクリート工業JV。
(2020年12月10日掲載)