臨港道路南北線 東西水路横断橋(仮称)架設工事
東京都港湾局 7千トンの鋼桁をロールオン
東京都港湾局は、8月15日午後0時半から深夜にかけて、中央防波堤の水路上に架かる東西水路横断橋(仮称)の鋼桁をロールオンした。東京都と国土交通省が建設を進めている臨港道路南北線および接続道路事業の一環で、その名の通り東西水路を跨ぐ橋梁。各種治具を合わせると約7,000tに達する桁を移動多軸台車(山九製)で台船に台車ごと乗り入れるあまり例のない現場であったため、多くの市民も見物に訪れていた。
施工直前
移動多軸台車/ランプウェイの設置
同橋は橋長249.5m、全幅員34.3m(鋼床版張り出し部も含める、桁間は約27m)、鋼重6,230tの鋼単純ニールセンローゼ橋だが、ベント材などの設備類を加えるとロールオン時の重量は約7,000tに達する。これをA1側に26軸×3列+27軸×2列(1軸あたりの積載可能荷重45t)、P1側に25軸×2列+26軸×2(同60t)の移動多軸台車を用いてヤードから台船に台車ごと運び込み、台船上の脚架台にジャッキダウンするもの。移動多軸台車と桁間には下段に橋軸方向へ6本の小梁(桁高最大約1.7m)、上段に橋軸直角方向へ2本の大梁(同約2.5m)を井桁上に配置し、4箇所で支持しつつ運んでいる。ジャッキの配置間隔は、A1~5列配置の移動多軸台車間が81.9m、移動多軸台車間が76.8m、4列配置の移動多軸台車~P1間が91.1mとなっている。
台船は桁+移動多軸台車の搬入に対応しその後の架設位置までの移動や桁架設をスムーズに行うため、積載荷重14,577tの「深洋」と同18,500tの「天后」をスペーサー台船でつなげたものを用いている。
2隻の台船を用いた
現場ではまず、約10m程度桁を船に向けて運んだ後、120tクレーンを使って、護岸と橋を渡すランプウェイを設置した。その後さらに16mほど間際まで桁を運び、台船と護岸のレベルが最適化される、潮位A.P.(荒川工事基準面、霊岸島水位観測所最低水位)+0.86mになるまで潮待ちをした後、ロールオンをはじめ、約77.2m運び所定の位置に達した後、50mmジャッキダウンさせて、桁を台船上の脚架台にあずけ、バラスト調整した。台車の移動速度は毎分0.6~0.7m程度に計画していた。
動き出した鋼桁
ランプウェイ手前まで進んで潮待ち/後ろから見るとこんなに動いた
ランプウェイ上を慎重に進む
最前輪が台船上に到達/台船上をゆっくりと進む
桁が護岸を離れた/夕刻ごろの進捗状況
端部ではランプウェイの撤去が始まった/少しずつ進む
所定位置に到達した桁、この後50mmジャッキダウンして脚架台に桁を受けかえた
17日の早朝から正午にかけて、台船で架設位置近くまで桁を運んだ後、18日夕方から21日にかけて桁を架設する予定だ。
上部工製作・架設はIHI・JFE・横河・三井JV。架設工はトキワエンジニアリング、現場溶接は島川工業、台船は深田サルベージ建設、ジャッキはオックスジャッキ。