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実際の作業手順や作業詳細を注視

新名神有馬川橋桁落下事故 第1回技術検討委員会を開催

公開日:2016.05.01

 西日本高速道路は4月28日、同社本社で新名神有馬川橋橋桁落下事故に関する技術検討委員会(委員長=山口栄輝九州工業大学副学長)を開催した。第1回委員会では主に施工計画の概要を審議した。委員会後の記者ブリーフィングで山口委員長は「送り出しのスパンは比較的長めではあるが、無理のない施工計画であり、特に問題となるようなものはなかった」と発言した。今後は架設機材や仮設機材がどのような状態にあったのか、実作業がどのように進められたのかなど詳細な事実関係の確認を行った上で、5月中にも第2回委員会を開催する方針だ。確認方法は、西日本高速道路が元請に書類で要請し、元請が下請けも含めて調査し、西日本高速道路に回答する方式を採る方針。委員による直接の聞き取り調査などは行わない予定だ。山口委員長は「極力早期の原因究明に努めたい」と強調した。

 今回、西日本高速道路から示された資料によると、事故発生当時、A2橋台側は橋桁の仮受桁設置状況、P11側は仮受設備を解体中で鋼桁を降下設備で上から吊っている状態にあった。A2側は鋼桁を 仮受架台とジャッキによって下から支えていた状態にあった。また橋桁の仮受桁と鋼桁本体は連結されており、仮受桁を支えるため、吊設備と仮受桁は仮止め状態にあった。そして4月30日には約7㍍桁を降下させる予定だった。

工事ステップ図(以下、全て西日本高速道路配布資料より)
 記者団からは、事故直前の桁支持について、一方が吊り支持で、一方がジャッキによる支持という状態や手順に関する質問や、支持していたジャッキが何らかの理由で不均等を生じたのではないか、などの問いかけもなされた。山口委員長もジャッキについては「重要な検討課題の1つ」と話した。またその他、実際施工された手順やその詳細な内容についても「報告を待って詳細に検討していきたい」(同)と述べた。具体的には事前の施工計画に基づいた施工の手順および詳細通りに現場が運用されていたかを今後対比しながら確認していく方針だ。

事故発生直前の作業状況(左)A2側、(右)P11側
 また、木村嘉富委員(国土技術政策総合研究所道路構造部研究部長)は、「(事故前の)最初の状態がどういうものであったのかを確認して、それをはっきりさせた状態で仮設部材や架設機材、本体の状態などを詳細に調査していくことになる」と述べた。
 ただ、警察の捜査も続いており情報が少ないことから、西日本高速道路は情報の確保と整理に全力を尽くし、早期に2回目の委員会を開催したい方針だ。
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