大規模更新市場等を視野に技術的優位確立を目指す
PC床版継手工法研究会が発足
大手PCファブなど有志9社は、プレキャストPC床版の継手工法のさらなる普及をめざして「PC床版継手工法研究会」を17日、設立した。
設立総会には、PC床版を製造メーカーのオリエンタル白石、ドーピー建設、日本ピーエス、ピーエス三菱、富士ピーエス、三井住友建設の6社と、床版施工を担う熊谷組、ショーボンド建設、横河ブリッジの3社の計9社が参加。新会長には阪田憲次・岡山大学名誉教授、副会長には大野達也・オリエンタル白石取締役専務執行役員が就任した。
同研究会は、プレキャストPC床版技術の核となる継手工法の技術発展を推進し、耐久性、施工性、工期短縮に優れた継手工法を有するプレキャスト床版を提供するもの。床版の薄層化や工期短縮ができる継手技術を審査・登録することで発注者に有効性をアピールするという。具体的には会員のプレキャストPC床版継手技術を研究会としてラインナップするとともに、施工手法などをリードし、その成果を発注機関の各種要領に反映させていくことで、NEXCO3社、首都高速、阪神高速などを中心とした床版取替市場において優位性を確立していこう、というもの。
阪田会長は「少子高齢化による人手不足の中、生産性向上を図る手段として有効なのはPC化。道路橋の劣化で問題となるのは床版だ。高速道路の橋梁ではPC床版が非常に有効で、業界の責任と捉え、取り組んでいただきたい」と研究会の意義を強調した。
継手工法技術の審査・登録を検討する技術委員会は、理事会社6社から委員を選出、委員長には二井谷教治・オリエンタル白石技術研究所長が就任。現在、登録基準を検討中で、登録工法第1号は半年後くらいになるという。
事務局はオリエンタル白石内に設置した。
総会終了後、阪田会長による「インフラをめぐる諸課題と展望」というテーマで基調講演が行われた。入会希望は、随時受け付けていく方針。