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施工管理を向上させ、良好な品質を確保

床版アスファルト防水工業会が仙台で講習会開催

公開日:2016.01.18

 床版アスファルト防水工業会は1月15日、仙台市のメルパルク仙台で「アスファルト防水材による道路橋床版防水施工マニュアル」を用いた講習会を開催した。官公庁や施工業者、建設コンサルタントなど140人が出席、高い関心を示した。
 宮地昭夫会長(右上写真)は、挨拶で「床版防水の市場は通常タイプで年間400万平方㍍、高性能タイプで同100万平方㍍あり、重要性はますます高まっている。品質を確保するには、材料としての性能はもちろん、施工管理が重要である」と述べ、講習会を通じて出席者の施工管理の重要性への認識が高まることを期待した。
 基調講演は(一財)橋梁調査会の大石龍太郎常務理事(左写真)が「日本の道路橋の現状と維持管理政策―最近顕在化してきた床版陥没―」というテーマで話した。大石氏は最近顕在化してきたRC床版の事例を調べた結果、「同一箇所で舗装補修が短周期に繰り返されている舗装のひび割れからは、床版コンクリートの土砂化を示す漏水が出ているかまたは漏れ出た痕跡がある。こうした損傷は床版下面に大きな変状を伴わずに進行していることがある」と考察、「舗装面の異常は床版の土砂化を疑うべきで、床版下面の観察を主体として床版損傷を点検するだけでは、(土砂化の予測は)困難であり、道路パトロールの際に気を付けて視る必要がある」と述べた。
 また、既往の研究や損傷事例を示して、安全性や供用性の確保、管理瑕疵を問われないためにも、「床版における防水は必須である」と強調、舗装補修時の留意事項として、①舗装下の床版コンクリートの状態を確認する、②土砂化が進んでいる場合には(マイクロクラックが発生しないように)ウォータジェット(WJ)などで土砂化した範囲を全てはつりとり、断面修復を行うことなどの方法を示した。
 その後、床版防水関係図書(床版防水便覧の解説など)を堀田大輔氏(静岡瀝青工業)、施工マニュアルの解説(マニュアルの概要および各種防水施工上、特に留意すべき点など)を梅田剛士氏(東亜道路工業)、具体的な現場事例の解説(よくある現場状況および品質管理・出来形管理の紹介など)を氏家秀樹氏(アオイ化学工業)、床版防水の最近の動向(床版防水を取り巻く環境および最新の床版防水技術など)を平岡富雄氏(ニチレキ)がそれぞれ講演した。

講習会には140人が参加した
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