奈良県十津川村の沼田原橋
新日鉄住金 耐候性仕様SBHS500Wが初採用
公開日:2015.09.14
奈良県十津川村で建設されていた沼田原橋で新日鉄住金の橋梁用降伏点鋼板(SBHS)の耐候性仕様であるSBHS500Wが初採用された(下写真)。
沼田原橋は奈良県十津川村の渓谷を跨ぐ全長57㍍の方杖ラーメン箱桁橋。工事は瀧上工業が担当した。
建設場所が太平洋からの離岸距離が約45㌔と十分であることから耐候性仕様が選定された。支点付近は橋梁に作用する荷重を下部工に伝達する重要な部位で補強部材などが取り付く狭隘なスペースでの溶接作業となるため、品質確保と現場作業性の向上を目的に降伏強度が高く、溶接性が良好なSBHS500WがJIS規格材として制定されて以降、初採用となった。
SBHS(JIS3140)は、従来橋梁用として一般的に使用されている溶接構造用圧延鋼材(JIS G 3106)と比較して高強度・高靱性であり、溶接性、冷間加工性にも優れた橋梁用の高性能鋼材として知られる。降伏強度が従来鋼よりも10~20%高く、軽量化など経済的な設計が可能となる。また、溶接性(溶接時の予熱作業の省略や低減が可能)、冷間加工性にも優れる。SBHSには降伏強度400、500、700N/平方㍉の3種類、各強度に対して耐候性仕様を加えた400W、500W、700Wの合計6種類の鋼材規格でラインナップしている。