PC建協 NEXCO大規模更新に積極対応
平成26年度受注総額は対前年度比1%増
PC建設業協会(PC建協、則久芳行会長)は21日東京都のグランドアーク半蔵門で定時総会を開催した。則久会長は冒頭の挨拶で「昨年度の受注額合計は2,530億円で対前年度比1%の増加となり平成23年度以降4年連続の増加となった。橋梁部門は前年度比14%減の1,718億円であったが、建築、容器、シールドトンネルでのプレキャストPC床版やその他の需要が大幅に増加し橋梁分野の減少を補った」と述べた。また、平成27年度については「4月時点でのPC工事発注見通し額は2,275億円と前年度同時期に比べ3%程度減少しているものの、大規模更新・大規模修繕計画が始動することで補修補強工事が前年度比230%の148億円を予測する」(則久会長)など既存ストックの維持修繕工事で市場の拡大が期待できる予測を示した。
大規模更新事業を魅力あるものに
NEXCO3社と協議
一方今年度の重点課題としては、担い手確保およびNEXCO大規模更新計画への対応、新ビジョン2011の見直し、PC建協60周年記念事業の推進をあげた。
NEXCO大規模更新計画については計画においてプレキャストPC床版への取換えが多くを占めるため、NEXCO3社から課題解決に向けた協力依頼を受け、26年9月に建協内に「NEXCO大規模更新床版特別委員会」(略称:NEXCO床版委員会)を設置し、会員企業が行っている床版取換え工事の実態調査および検討課題の洗い出しを進めている。具体的な検討課題としては事業執行方式、設計施工の仕様、積算方式(実績清算方式)関連、大規模更新事業の施工関連、プレキャスト床版の製造と運搬能力関連がある。
PC建協として最もNEXCO各社に要望したいこととしては、プレキャストPC床版の製造・施工が計画上の一番大きな施工分野であると同時にネックになるであろうという認識のもと、「PC建協会員が施工できるような形態を模索しながらお願いしたい」(同委員長)とした。その上で「現在までの床版取替えの実績を見ていると大規模更新事業における(プレキャストPC床版への取替え工事が)、どのようにPC建協各社にとって魅力的な工事になるかが大事である。具体的には技術者の量や能力、従来はできなかった項目を後清算できるような形で魅力ある工事にするよう要望したい」(同)とした。
また、プレキャスト床版の製造や運搬能力については、「会員企業が各地に有する製造工場の能力に応じて事業執行の時期や発注時期を考慮してお互いに円滑になるよう協議していきたい」(同)と語った。
新ビジョン2011を見直しへ
川田琢哉理事が委員長
また、新ビジョン2011の見直しについては今年度から川田琢哉理事を委員長とするビジョン見直し検討委員会を発足させ、今年度は基本的な見直し、素案の策定を行い、来年度に外部委員有識者の意見を反映し、素案を策定する方針だ。
統一安全ベスト
60周年記念事業は「PC建設業協会60年史」を発刊するほか、災害対策支援や現場見学会などにおいて使用するための統一安全ベストを整備し、本部及び支部に相当数配置する。
(井手迫瑞樹)