阪神高速道路 コミュニケーション型共同研究を開始
阪神高速道路が大規模更新・修繕事業に関する説明会を開催
阪神高速道路は5月8日、大阪市の建設交流館で「阪神高速道路の大規模更新・修繕事業に関する説明会」を開催した。説明会にはゼネコンやコンサルタントなど約200人が出席した。
阪神高速道路は、現在、1日約70万台の自動車が利用し、阪神都市圏の自動車貨物輸送量の50%が利用している状況。しかし、10年後にはその約5割が使用開始から40年以上を経過することがわかっており、すでに過酷な使用状況によるひび割れや疲労亀裂などの損傷が顕在化している。そのため、今年度から平成41年にかけて合計約3,700億円の事業規模で大規模更新・修繕事業を計画し、順次取り組むことが決定している。
(左)西岡参与、(右)説明会には約200人が出席した
計画では、大規模更新で11号池田線大豊橋付近・13号東大阪線法円坂付近・14号松原線喜連瓜破付近・15号堺線港町付近・3号神戸線湊川付近・3号神戸線京橋付近の合計6カ所の工事を予定し、大規模修繕ではPC桁のケーブル腐食や疲労亀裂、鋼桁端部の腐食など、損傷が顕在化した構造物に対して繰り返し補修を行った場合でも改善が期待できず、構造物の全体的な取り替えを必要としないレベルの箇所について主要構造の全体的な補修および補強を予定している。
これら大規模更新・修繕工事は、「長期耐久性・維持管理性の確保と道路機能の強化」と、「施工性等の工夫による交通影響軽減、工程短縮、コスト縮減」を目標・課題としている。効率的な工事の推進のため地域や顧客の理解を得るほか、社会的な影響力やコストの縮減のために、新技術や施工法を積極的に導入する方針を示している。
当日はこのほか、新技術の導入促進の一環として「コミュニケーション型共同研究」を開始したことを報告した。今回の工事に採用する技術・工法などに関して、応募企業と共同研究する新たな方法として、お互いの意見を交換しながら計画・研究を進める制度。大規模更新・修繕工事においても2件の研究が開始されている。
西岡敬治参与は、冒頭の挨拶のなかで事業実施にいたる経緯を話し、「多くの箇所で効率的な工事進捗のために対策が必要で、今回の説明会で工事の特徴を理解していただき、必要な技術・工法を協力してほしい」と話した。