ケー・エフ・シー 「BOLT-Tester 」
打撃するだけであと施工アンカーの健全性を判断
ケー・エフ・シーは、日東建設(北海道)が開発した接着系アンカーの健全性を測定できる「BOLT-Tester」について、金属系あと施工アンカー(接着併用タイプも含む)分野への展開を図るべく実験・改良に協力しており、今夏にも取り扱いを始める。
測定装置 BOLT Tester on CTS-03 測定状況
BOLT-Testerは、衝撃加速度計を内蔵したハンマーでアンカーボルトを打撃して、その反力の時間波形を測定する装置。これは、もともと打撃によるコンクリート強度測定(機械インピーダンス法)用に開発されたUSBデバイスであるCTS-03を用いて測定し、時間波形の形状を診ることで健全性を判断するもの。ハンマーの重さは約400㌘と軽く、対象となるアンカーボルトを打撃するだけでその場で確認でき、同時に波形のデータが保存されるため「簡便で高機能な新しいあと施工アンカーの健全性を確認する装置として展開していきたい」(同社)としている。
測定原理は、打撃に対する応答挙動によって判断するもの。あと施工アンカーが健全に施工されている場合、打撃による波形は一定の波形パターンで示される(波形①)。しかしアンカーがゆるみなどにより固定されておらず不健全な場合、揺動し反力に微妙な時間の遅れが生じることから波形の歪みが生じる(波形②)。さらに著しくゆるんでいる場合は、打撃力に対する反力の発生に大きな時間遅れが生じることから、波形のピークが双山の波形になる(波形③)。
波形① 波形② 波形③
BOLT-Testerは、こうしたあと施工アンカーの健全性と打撃力波形の関係性に着目し、健全な波形をしきい値とし、それと異なるものを不健全と判定できる測定装置といえる。