高架・橋梁が8割、橋種は鋼桁オンリー
久喜白岡JCT~境古河IC間を報道陣に先行公開
東日本高速道路は、3月29日に開通する圏央道久喜白岡JCT~境古河IC間18.6㌔を報道陣に先行公開した。同区間が開通することで従来、境古河IC付近から久喜白岡JCT(東北道との接続)まで46分かかっていた時間を20分程度短縮することができる。また、開通により新たに3つのICが誕生、茨城県内のIC30分圏人口は、現行の60%から90%に拡大し飛躍的に交通の便が向上する。
同区間は19.6㌔の延長のうち国土交通省関東地方整備局北首都国道事務所が久喜白岡JCT~利根川西岸700㍍手前と利根川を渡る圏央利根川橋の約15.3㌔の高架・橋梁、NEXCO東日本関東支社さいたま工事事務所が境古河ICから3.6㌔と利根川西岸700㍍の高架・盛土(1.5㌔)区間と構造物の床版防水、舗装、その他付属物の工事を担当した。
久喜白岡JCT~五霞IC間12.7㌔は全て橋梁
構造概要図
五霞IC~境古河IC間には土工(盛土)部もある
同区間は国道、県道、新幹線など交差交通が多いことからNEXCOが担当する境古河ICから西側の盛土区間を除いた約8割を高架・橋梁が占める。また、軟弱地盤のため高架・橋梁は全て鋼橋で二主鈑桁、またはスレンダーボックスが大半を占める。床版形式は全て合成床版である。同区間最長の橋梁は利根川渡河部に架設された圏央利根川橋(約1,300㍍)。鋼桁の架設は基本的にトラッククレーン+ベントで施工するが、圏央利根川橋は送り出し、国道4号線との交差部は4号線を通行止めして移動多軸台車を用いて施工している。
圏央利根川橋と国道4号交差部はそれぞれ送り出し、多軸台車を使った施工を行った
高架構造が8割を占める
ほぼ完成して供用を待つばかり
圏央利根川橋は1300㍍弱の橋長を誇る(連続鋼2主鈑桁、合成床版)
床版防水はNEXCO管理のため高性能タイプ(グレードⅡ)を採用、32万平方㍍を5か月で施工する離れ業を実現するため、床版防水の取材および床版との接着プライマー層を完全に機械化して吹き付けした(写真を追加予定、後日詳細を掲載予定)。
軟弱地盤のため盛土部も盛土法面の下に地盤改良を実施し、地震発生時の液状化の影響を未然に抑止している。特に盛土区間で交差道路用のボックスカルバートを設置する個所では背面部の盛土のCBR(カリフォルニアベアリングレシオ(路床土支持圧力比))を通常の10%からセメント改良することで20%に向上させるとともに、地盤改良緩和区間を延長することで地震発生時の沈下による路面段差量をわずかな変形量に抑制し、復旧を不要にする手法を採用している。
盛土法面の下に地盤改良を実施
CBRを20%にし、地盤改良区間を延長することで地震時に生じる段差を最小限にする
協力して建設を進めた国土交通省北首都国道事務所の石川雄一所長(右)とNEXCO東日本さいたま工事事務所の上田功所長(左)