首都高速 菅原社長定例会見
概ね10年後には渋滞量を現在の4分の1に低減
首都高速道路(菅原秀夫代表取締役社長)は2月4日に社長定例記者会見を同社内で開催した。主な会見内容は①王子南出入口の開通、②「首都高速快適走行ビジョン」の策定、③「2020年東京五輪に向けた首都高の取組みに関するアドバイザリー会議」(仮称)の設置、④歩行者立入り、逆走等に関する対策の取組状況――など。
①については、3月29日15時に開通する予定。3月7日に開通する山手トンネル(湾岸線~渋谷線)と併せて使うことで、王子南出入口~羽田空港までの移動時間が約35分で済むなど利便性の向上に寄与する。
3月には山手トンネルおよび王子南出入口が開通
②は3月7日の中央環状線全線開通により、都心部の渋滞・混雑が約4割見込める一方で中央環状線周辺に渋滞が転移することも予想される。そのため第1段階として東京五輪に向けて渋滞・混雑量を半減、第2段階として概ね10年後には渋滞をさらに半減させるという改善目標を立てた。その対策手法としては拡幅やソフト対策を挙げている。具体的には池尻~三軒茶屋付近などの付加車線の設置や上り勾配付近の速度回復誘導灯「エスコートライト」の設置など。池尻~三軒茶屋の拡幅事業は平成27年度早々にも大規模更新事業に先駆けて開始し、平成39年度に完成させたい考えだ。
渋滞は中央環状線付近へ転移する 首都高速快適走行ビジョンのプラン
エスコートライトは路側に設置した速度回復誘導灯の光を進行方向へ連続的に流すことで上り勾配における無意識の速度低下を防止するシステム。東京湾アクアラインなどでも実績があり、アクアラインでは走行速度が5~10㌔程度向上し、渋滞の緩和に大きく役立っている。今月中旬には池尻~三軒茶屋間の下り線で運用を開始し、効果を検証した後に設置空間の拡大などを図っていく方針。
池尻~三軒茶屋の拡幅事業
③は、既に東京都市大学の涌井史郎教授を委員長に選定。今後は他のメンバーの選定を図り、「幅広に議論してもらって、首都高速道路構造物の・付属物の景観性向上や、海外からのお客様のサービス向上などについて反映させていきたい」(菅原社長)としている。
④は立ち入り禁止看板の設置等従来の取組みに加えて、「立入検知・警告システム」を民間企業と共同研究について3月下旬から2号目黒線の目黒出入口、5号池袋線の護国寺出入口、横羽線の大帥出入口でそれぞれ試行運用を開始する。