名古屋高速道路公社のRC床版防水工
ノバプロテクト工法を900平方㍍強試験施工
日東化工が展開するノバプロテクト工法が、11月に行われた名古屋高速道路公社の小牧線北行舗装打替工事の一環であるRC床版の防水工で試験的に採用された。採用場所は小牧南OFFランプ付近の934平方㍍。
ノバプロテクト工法はアクリル樹脂塗膜系のプライマー件第1防水層と改質アスファルト塗膜防水層の複合防水工。「北海道における鋼道路橋の設計および施工指針」における規格で、-20℃でのひび割れ追従性試験や同じく-20℃での引張接着試験、せん断接着試験に適合し、主に積雪寒冷地に実績がある。また、改訂されたNEXCO3社構造物施工管理要領において、グレードⅠ規格Aに適合し、より厳しい防水性試験Ⅱ(アスファルト合材舗設後の防水性)にも適応している。
今回の試験施工は、名古屋地域では、-20℃の環境にはならないため、公社の規定する、耐久性を含めた新たな規格で検討した。具体的には新たにプライマー兼第一防水層をノバプロテクト(アクリル樹脂系塗膜)とし、アスファルト塗膜防水材を従来の「道路橋床版防水便覧」規格の防水層とするノバプロテクトP工法を開発し、室内試験実施確認後、本試験施工を行った。
具体的には①塗りムラ(塗り残し)を防止するため、トナーを適量入れることにより、塗りムラや塗膜の薄い部分と厚い部分が目視で確認でき、作業者が直ちに修正可能で均一に塗布できるようにした。また②珪砂の均一散布を行えるようエンジン式背負い散布機を用い、従来のスコップでの散布に比べ、より均一に散布することが可能となっている。珪砂散布では、散布量が多すぎると浮き砂が生じ、アスファルト塗膜防水材との接着を阻害する懸念があった。また③硬化剤および硬化促進剤を適切に添加することで、低温(路面0℃)でも30~40分で硬化し、次工程(アスファルト塗膜防水層施工)に進むことができるよう材質を工夫した。
実際の施工に際しては現場の切削面は凹凸があるため、「ローラーによる材料の広がりを均一にするのに、若干時間をロスしてしまった」(同社)。しかし、3~4バッチ後(約30分後)ぐらいから軌道にのり、「2時間当たり1,000平方㍍のペースで施工が可能」(同)となった。「リフレッシュ工事といった限られた時間の中で施工を行うためには人員の増員や塗布方法に工夫が必要である。来期の施工では、経験が活かせる」(同)としている。
左から清掃状況、施工環境測定、区画割り状況、ノバプロテクトトナー攪拌状況
左からノバプロテクト塗布状況、珪砂散布状況、プライマー兼第一防水層終了、完成