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(株)興和工業所の従来比6~7倍の防食性能を有する
「SGめっきSP」~溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっき~

新湊橋での採用事例

KeyPoint

  • 従来の6~7倍の高耐食性を有する
  • 2浴法からなる溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっきを工法開発
  • ボルトやアンカーなども全てSPで同電位
カテゴリー
NETIS登録番号QS-170020-A
公開日:2018.03.05

 めっき業界大手の㈱興和工業所は、溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっき「SGめっきSP」のNETIS登録を行い(QS-170020-A)、橋梁の検査路や鋼製壁高欄、鋼製排水溝、落下物防止フェンス、標識柱などの防食分野への適用拡大を目指している。
 従来の溶融亜鉛めっきは、鋼部材の防食手法として広く採用されているが、飛来塩分や凍結防止剤を散布する塩害の厳しい地域では、早期に劣化する傾向がみられた。
 同社はこうした課題に対し、2浴法からなる溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっきを工法開発している。1浴目には高純度亜鉛(99.995%)に、合金反応を抑える効果のあるニッケルを微量添加した浴組成とし、2浴目では亜鉛に加えてアルミニウム(5%)とマグネシウム(1%)を添加した、2浴工法により合金めっき化したSGめっきSP(以降「SP」)をNETIS登録した。
 通常の溶融亜鉛めっきに比べ加工コストは3割から5割程度高くなるが、腐食減量は塩害の激しい地域でも15年間で10μ(平均膜厚は50μ)と70年以上の防食寿命が期待でき、従来の6~7倍の高耐食性を有する。
 SPは、表面が亜鉛リッチで内部に行くほどアルミリッチになる大きく分けて2層の防食皮膜で形成され、添加されたマグネシウムが、粒界腐食(金属材料中に存在する結晶粒の境界に生ずる腐食)を抑制し、防食皮膜の高耐久化を実現している。また、SPでは検査路やその他の鋼製付属物も含めて、ボルトやアンカーなども全てSPで同電位となるため、添接部が先行で電食により損傷していく、ということも未然に防いでいる。
 既に上信越道の儀明川橋、滝寺第一橋、深沢川橋、北陸道の徳合川橋、栄橋、境川橋、保倉川橋など、NEXCOを中心に凍結防止剤や飛来塩分による塩害の厳しい場所でもSPによって防食した検査路の納入実績は増えつつある。同社では首都高、福北公社などでも採用されているSGメッキに、ナイロン重合体(ナイロン12)、ポリエステル粉体をコーティングした防食手法とともに高品質な溶融亜鉛めっき防食の浸透に努め、現在の年間1万tの生産量を早期に10万近くまで引き上げていきたい考えだ。

施工実績

下表

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担当者連絡先

株式会社興和工業所 土木建材事業本部
土木建材部 部長
木村 聡    
〒475-0032 愛知県半田市潮干町1-10
電話0569-29-3041 FAX0569-29-3054
d-kenzai@at-kowa.com
http://www.at-kowa.co.jp/factory/007.html

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