道路構造物ジャーナルNET

NIPPOの床版補強型高性能防水工法
「ハードフレッシュ工法」~高い床版補強効果と防水効果を併せ持つ高浸透床版複合防水工法~

ハードフレッシュ工法の構造

KeyPoint

  • 高浸透防水材がひび割れに深く浸透・接着することで床版剛性を回復
  • 高浸透防水材と塗膜防水材の2層構成による高い防水効果
  • 低温下(5℃)でも短時間での急速施工が可能
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公開日:2015.10.29

 「ハードフレッシュ工法」は、橋梁のコンクリート床版の耐久性向上を図ることを目的に、1次防水として高浸透型防水材「レジリエントプライマー」、2次防水としてアスファルト加熱型塗膜防水材「フレッシュコート」を施した床版補強型高浸透床版複合防水工法である。
 「ハードフレッシュ工法」は、高い床版防水効果と床版上面に発生したひび割れへの高い浸透・接着性を有していることから、床版の剛性回復を期待する箇所へ適用できる。特に、①交通量が多く交通規制や施工上の制約が大きい箇所、②床版下面からの対策が困難な箇所、③アスファルト舗装の修繕と床版防水工の同時施工による即日交通開放が要求される箇所への適用が望ましい。
 1次防水の「レジリエントプライマー」は、今回開発したエポキシアクリレート系接着剤を防水層へ適用したものである。アクリル系接着材料が有する急速硬化性(20~30分程度)とエポキシ基が有する接着強靭性を併せ持つ材料である。床版の貫通ひび割れ(既設橋梁床版の疲労や複合劣化に起因)や床版上面の微細なひび割れに対して、レジリエントプライマーが深く浸透・接着することで床版剛性の回復(レジリエント)が期待でき、近年課題となっている橋梁の長寿命化へ資することが可能である。レジリエントプライマーの特長は、低温時(5℃)における優れた浸透性(低粘性)を保持しつつ、アクリル系接着材料特有の臭気を大幅に低減させたことである。レジリエントプライマーの施工はスプレー散布などの特殊機材を用いることなく、ローラ刷毛による塗布が可能である。したがって、風が強い場合が比較的多い橋梁床版上の作業において、走行車両や沿道への材料の飛散に関する懸念がなく、低臭気とあわせて道路利用者や沿道環境に十分配慮した防水材である。
 2次防水の「フレッシュコート」は、従来から広く適用されているアスファルト加熱型塗膜防水材に、アスファルト舗装工の施工機械(ダンプトラック、アスファルトフィニッシャなど)へのタイヤ付着抑制機能を加えることで、防水層としての確実性を高めた防水材である。仕上がりが、塗膜系床版防水層と同一であることから、従来と同じ機械編成、施工方法によりアスファルト舗装工が可能である。なお、レジリエントプライマーとの強固な付着も確保できる。
 ハードフレッシュ工法は首都高速道路㈱と㈱NIPPOとの共同開発工法(首都高速道路株式会社設計要領(平成27年4月)準拠)である。

施工実績

首都高速道路、東京高速道路などにおいて、約3万平方㍍(平成27年9月現在)。

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担当者連絡先

株式会社 NIPPO 

技術企画室 技術推進グループ 村岡 克明  

〒103-0028 東京都中央区八重洲1-2-16 TGビルディング

電話03-3563-6727 FAX 03-3567-4085

メールアドレス muraoka_katsuaki@nippo-c.jp

【ホームページ】http://www.nippo-c.co.jp/tech_info/general/SG04018_g.html

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