ケミカル工事の増厚床版再補修工法
「上面増厚床版剥離部補修システム」~下面から増厚再劣化部を補修~
KeyPoint
- 全て桁下から補修可能
- スピンジェットノズルを使用して強制的にすり磨き粉を洗浄
- 全ての剥離部への注入が可能
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商品リンク | http://www.chemical-koji.co.jp/ |
ケミカル工事は西日本高速道路、西日本高速道路エンジニアリング関西と共同で、RC床版における増厚部と既設床版との界面に生じている水平剥離をWJできれいに洗浄した後に、床版下面から樹脂を低圧注入し、水平剥離部を充填する『上面増厚床版剥離部補修システム』を開発した。全て桁下で施工するため交通規制を必要としないことが大きなメリットだ。また、高速道路リフレッシュ工事期間外に施工が可能なため、年間を通じての工事の平準化が図ることができ、未充填箇所への再注入など不足の事態でも対処が可能。
増厚界面の剥離部を樹脂注入により充填して補修する場合、課題は2つある。交通規制の有無と洗浄の確実性だ。前者は下面からの樹脂注入工法を採用することでクリアしたものの、後者は従来のポンプ圧送方式では不安があった。「従来工法では、圧水とエアによる洗浄方法であったため、一つのみず道が形成されると同じ箇所のみを水が流れ、面的に洗浄することができない」(ケミカル工事)ためだ。そのため、実際に供用されていた旧床版の試験体を使用し、洗浄試験を行った結果、ノズルの先端が回転しながら洗浄水を水平方向に噴出するスピンジェットノズルを使用して強制的にすり磨き粉を洗浄した場合、洗浄率は従来の46%(面積比)から87%に上昇することが確認された。
また、充填方法については本工法では床版下面から剥離部まで削孔するため、全ての剥離部への注入が可能としている。従来工法では、剥離部の注入を目的にしており、床版上面からの削孔長が剥離部までとなる。実際の床版内は鉄筋部の剥離も生じているため、全ての剥離部に対して注入することができなかった。加えて、エポキシ系、アクリル系ともに0.3MPaを上限として注入した結果、二重、三重になっている部分も含めて全ての空隙に樹脂が充填できることを確認。注入後の試験体に行った押し抜きせん断試験でも2~4N/平方㍉と、所定の性能を有することを確認している。
同社は、交通規制が難しい箇所におけるRC床版の延命工法として、積極的に適用を図っていく方針だ。
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