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日沿道は道半ば、上越、磐越両道の4車線化も希求

新潟県 豪雪、大河川、橋梁整備はまだまだ必要

新潟県
土木部 道路建設課長

中田 一男

公開日:2015.07.01

 ――朝日大橋は
 中田 国道289号の燕北BP事業において、信濃川支流中ノ口川渡河部に(仮称)朝日大橋の建設を進めています。国道289号は新潟市と福島県いわき市を結ぶ第2次緊急輸送道路に指定された区間でありますが、燕市東太田~井土巻までは、三条市と燕市中心部を結ぶ通過交通と市街地に流入する交通が混在するために慢性的な渋滞区間となっています。燕北BP事業はその通過交通を分散し渋滞を緩和することや通学路の安全性を確保することが目的です。同時に北陸自動車道三条燕ICとJR燕三条駅のアクセスも強化されます。

図-5 朝日大橋の施工位置

 ――構造物の形式は
 中田 橋長は395㍍で、上部工が鋼8径間連続2主細幅箱桁(鋼・コンクリート合成床版)、下部工が逆T式橋台(A1が9.1㍍、A2が11.5㍍)、壁式橋脚(6.8~17.9㍍)です。架設工法は陸上部(A1~P4)がベント併用トラッククレーン、河川部(P4~A2)がベント併用トラベラークレーンをそれぞれ採用しています。支承は全方向免震沓(鉛入積層ゴム)を使用します。


図-7 朝日大橋平面図

 ――進捗状況は
 中田 下部工がA1~P5まで完了しており、現在はP6、P7、A2を施工中です。上部工は昨年度に発注し、今年度から製作に入っています。
 ――防食手法は
 中田 新潟県ではどんな橋でも基本的に飛来塩分調査もしくは表面塩化物イオン量調査を実施して、現況の塩分量を把握しています。これは、新潟県は必ずしも海岸線からの距離だけで塩分量は決まらず、凍結防止剤中に含まれる塩分による損傷なども考えられるため、必ず架橋地点で塩分量を調査した上で橋の設計を行うというルールを定めています。 
 朝日大橋は、飛来塩分量0.525mdd(飛来塩分量調査の2カ年平均値)という結果が出ました。通常の裸使用耐候性鋼材ですと0.05mdd2を超えた場合使用不可、ニッケル系耐候性鋼材もしくは表面処理を加えた通常耐候性鋼材でも0.4mddが限界と考えており、今回は普通鋼材+塗装仕様(C-5塗装系)を採用しています。また橋座部にはCC-B塗装を施しています。CC-BはRC部材に塗装することを想定しており柔軟性に富んだコンクリート保護塗装(柔軟性エポキシ樹脂+フッ素樹脂トップコート)を用いています。
 ――上部構造の特徴は
 中田 鋼・コンクリート合成床版を用いた少数主桁の合理化橋梁となっていることが特徴です。床版支間が非常に長いため、合成床版で剛性を持たせて、桁本数を減らす構造にしています。
 ――確かに長いですね
 中田 床版支間は6㍍に達します。普通のRC床版ですと4㍍までが限界です。今回のように工期も短縮したい箇所では最適と言えます。


図-8 朝日大橋 横断図

 ――基礎構造が鋼管ソイルセメント杭ということは基礎地盤が軟弱ということですね
 中田 現場は信濃川によってもたらされた沖積層により新しい軟弱な地層が地下数十㍍にわたって形成されています。そのため朝日大橋ではA1~P5間は摩擦支持杭として鋼管ソイルセメント杭を採用しているものです。N値を調べて支持杭として施工可能なP6~A2間は通常の鋼管杭で施工します。
 ――杭長は
 中田 基礎は軟弱地盤のため支持層が最大で43㍍の深さに達します。そのため、摩擦支持も期待できる鋼管ソイルセメント杭(φ1200、本数は1基当たり8~16本)を用いています。

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