ニーズに応じてシーカグループが有する国内外の製品を提案
外国にも日本の良い製品を提案できる『グローバル化』というシナジー
――シナジーとしては、日本シーカを除いた各社はドメスティックな視野になりがちでしたが、それが大きく変わるという事もあるのではないですか
倉田 今までは各社とも日本で作り、日本で売ることを念頭に置いたビジネスモデルでした。しかし、シーカグループの傘下に入ったことで、海外(シーカグループは101箇国に展開している)の土木製品を輸入して販売したり、ドメスティックライセンスを取って生産することで、国内にない、しかし需要者のニーズに合わせた製品を提案していくこともできるようになると考えています。
一方で、国内のみで販売していた旧各社の製品を海外――現在は主にアジア市場を考えていますが――に提案して販売することもできるようになるでしょう。例えば日本のODAの現場で日本のゼネコンなどが行う工事は規格がJISですから、そうした工事に対しては対応していきたいと考えています。
――逆に旧各社の材料を他国の会社にその国のドメスティックライセンシーを許諾して作ってもらうという事も考えているわけですか
倉田 それもいずれはあると考えています。
物だけでなく人もグローバル化
ただし各国の独自性は尊重
――技術開発や社内人材育成についてはどのように力を入れていきますか
倉田 技術ノウハウの蓄積と継承というのは大事にしていかなければなりません。また採用については、終身雇用と中途採用をミックスしていく方向になると思います。シーカグループになって大きく変わったものは、シーカ本体などから外国人が多く入り、グローバル化することで、様々な知見を得られるようになったという事です。私もシーカ・タイに7年ほど働いていました。
――最後に倉田グループ長のご経歴を教えてください
倉田 私は現在52歳です。新卒で日本シーカに入社して自動車分野の営業及びマーケティングに従事し、2008年から7年ほどシーカ・タイに役員として出向し、自動車だけでなく土木・建築分野の商材を販売する仕事に従事しました。15年に日本シーカに戻ってきた後、2021年に姉妹会社のダイフレックスに入社しました。
――多国籍企業が、各国に根付くにはいわゆる『現地化』することも重要ですが、シーカグループはどのように考えておられるのでしょうか
倉田 シーカグループは各国の独自性というものも尊重しており、例えばシーカ・ジャパンの社長も日本シーカ設立以来、日本人と外国人の就任はほぼ半々です。
――ありがとうございました