横浜湘南道路はトンネル部が5.6kmで延長の約75%を占める
横浜国道事務所 上下部工が輻輳する栄IC・JCT(仮称) BIM/CIMを活用して施工
国土交通省
関東地方整備局
横浜国道事務所長
鈴木 祥弘 氏
横浜湘南道路 延長7.5kmのうちトンネル5.6kmで構造物比率は83%
小雀高架橋(P6~P9間)は架設完了
――横浜湘南道路の概要は
鈴木 栄IC・JCTから国道1号に接続する藤沢市域南の藤沢ICまでの約7.5kmの自動車専用道路です。構造物比率は83%でトンネルが5.6kmを占めていて、橋梁0.6km、土工0.6km、掘割0.8kmとなります。
現在は、横浜湘南道路トンネル工事、小雀地区の橋梁上下部工事などを推進しています。
横浜湘南道路概要図
――橋梁延長は0.6Kmと短いですが
鈴木 栄IC・JCT側に小雀高架橋があり、藤沢IC付近に藤沢第1・2・3高架橋、藤沢高架橋ランプ橋があります。
――小雀高架橋は
鈴木 上り線(P6~P9間)は橋長118.0m、鋼3径間連続少数鈑桁橋、下り線(P6~A2間)は橋長132.1m、鋼3径間連続少数鈑桁橋をクレーンベント工法による架設が完了して、壁高欄を打設中です。AP1~P6間(269.5m、鋼5径間連続少数鈑桁橋)は下部工を一部施工中です。
小雀高架橋(P6~P9間)(左)と(AP1~P6間)(右)の現況
上り(P9~A2間)は、交差する市道373号との建築限界4.5m確保のため、1径間のみ上部工形式が異なり、橋長28.0m、PC単純ポステンホロー桁橋となっています。
――藤沢高架橋およびランプ橋は
鈴木 藤沢第1・2高架橋については、現橋を一部撤去する必要があり、その準備ができた段階で下部工、上部工に着手していきます。現在は未発注です。
上部工施工中が、藤沢第3高架橋(橋長90.0m、鋼3径間連続非合成鈑桁橋)と藤沢高架橋オフランプ橋(横浜方面側:上り線)(橋長172.0m、鋼6径間連続非合成鈑桁ラーメン橋)です(設計:(第3高架橋)大日本コンサルタント(オフランプ橋)ドーコン/施工:(両橋ともに)IHIインフラシステム)。
藤沢第3高架橋とオフランプ橋の上部工施工
横浜湘南トンネル シールドマシン2機で掘削して地中接合
――トンネルの概要と施工状況を教えてください
鈴木 延長5.6kmの横浜湘南トンネル(上下線各1本、2車線)は標準断面13.2m で、藤沢IC側は延長122mの開削函渠となっています。掘削は2機のシールドマシンで行います。1号機は、延長のほぼ中間点である藤沢市大鋸地区の発進立坑から藤沢IC側に向かって上り線を掘削して、藤沢IC東側の藤沢回転立坑でシールドを回転させて栄IC・JCT側の起点まで下り線を掘削します。2号機は起点側坑口から中間点まで掘削して、地中接合する計画で進めています(設計:日本シビックコンサルタント/施工:西松・戸田・奥村JV)。1号機がトンネル2本全延長の4分の3を掘削することになります。
横浜湘南道路トンネル概要図
トンネル標準断面図/発進立坑/藤沢回転立坑
――1号機および2号機の外径、機長、重量は
鈴木 1号機の外径は13.6m、機長は約14.5m、重量は約2,700トンです。2号機の外径は13.2m、機長は約14.0m、重量は約2,100トンとなっております。
シールドマシン1号機/組立作業中のシールドマシン2号機。地上発進でコスト削減を図る
――最大深度は
鈴木 約53.9mとなります。
――シールドセグメントはどのようなものを使いますか。通常部と近接部についてお教えください
鈴木 通常部はRCセグメント、トンネルが近接する区間においては、合成セグメントを使用します。また発進立坑からの急曲線部においては鋼製セグメント、2号機が地中接合する区間は切削セグメントを使用しております。
近接区間の合成セグメント/急曲線部・地中接合区間の鋼製・切削セグメント
――東京湾岸道路(国道357号)延伸部の進捗状況は
鈴木 八景島~夏島間(延長2.3km)は、夏島地区の調査・設計を進めており、早期供用を目指してまいります。同区間の終点となる夏島交差点の改良工事を推進しており、3月に左折レーンが完成する予定です。
夏島交差点改良工事(テクノジャパン提供)
――厚木秦野道路の整備については
鈴木 厚木秦野道路は総延長29kmのうち、事業化区間の約14kmについては川崎国道が担当し、当事務所は残る区間の事業化に向けた調査検討を担当しております。引続き川崎国道と連携を図りつつ、早期整備を目指してまいります。