国道8号六家立体では交差道路側の県道を立体化
国道253号十日町道路は権限代行で事業推進
――2019年度の新規事業箇所については
岩見 国道116号新潟西道路は、新潟都市圏西部地域の渋滞緩和を目指した延長4.2kmの事業です。新潟都市圏の東西軸となっている新潟バイパス、新潟西バイパスというアクセスコントロールタイプの道路があり、約14万台/日と日本で1、2位を誇る交通量となっています。その新潟西バイパスの終点が新潟西道路の現道です。アクセスコントロールタイプ道路の端末道路ということで、渋滞が慢性化していますので、立体化をしていきます。
国道8号六家立体は、国道8号と能越道高岡ICのランプ、県道高岡環状線が接続する部分の立体化を行います。国道8号の事業として行いますが、交差道路側の県道高岡環状線を立体化することが特色です。そうすることにより、国道8号の交通量を効率よく削減できると検討した結果です。
国道253号十日町道路は、新潟県上越市～同魚沼市に至る上越魚沼地域振興快速道路（延長約60km）の一部となる地域高規格道路で、新潟県十日町市北鐙坂～同市八箇間の延長10.8kmの事業です。このルートは、北陸新幹線が開通するまでは金沢と越後湯沢を結ぶ特急が走っていました。
上越魚沼地域振興快速道路事業概要図
南魚沼市側の八箇峠道路はトンネルが完成して、部分開通をしましたので、ひきつづき十日町道路の事業に着手していきます。トンネル掘削では地質的に難しい箇所があり、橋梁では信濃川の河岸段丘が深く、高橋脚になるなど、技術的な難易度が高いため、権限代行で事業を進めていきます。上越側では、同じく権限代行で事業を推進した上越三和道路（延長7km）が2019年3月24日に部分開通（寺IC～鶴町IC間3km）しました。
国道8号糸魚川地区の橋梁架替事業は9橋のうち6橋が完了
――橋梁の架替え事業について教えてください
岩見 防災事業として、塩害環境地域にあり老朽化が進んでいる国道8号糸魚川地区の橋梁架替えおよび補強工事を進めています。2009年度には、新潟県糸魚川市筒石地先～同市青海地先間（延長1.4km）で事業着手し、その区間にある橋梁4橋（青海跨線橋、両鬼橋、能生大橋、筒石橋）が完成しました。
2012年度からは国道8号糸魚川地区橋梁架替Ⅱとして、新潟県上越市有間川～富山県下新川郡朝日町境間（延長2.6km）にある橋梁5橋の事業に着手しています。5橋のうち、歌高架橋の架替えが2017年3月に完了し、弁天大橋は2019年3月29日に新橋への交通切替を行いました。
糸魚川地区の橋梁位置図
損傷状況
弁天大橋は海水浴場に面していて施工期間に制約があったとともに、施工ヤードも狭隘であったことから、セグメント桁を採用することで、品質を確保しつつ、これらの課題を解消しました。また、塩害対策として、通常のコンクリートの最小被りを確保するほか、鉄筋やPC定着具に保護塗装（エポキシ樹脂塗装）を施すことでさらなる耐久性の向上を図りました。
施工中の弁天大橋
有間川橋と青海川橋については、架替に向け、仮橋に交通を切り回すための改良工事に着手しています。残る1橋となる境橋は現在設計中です。
妙高大橋の架替えではトラス橋形式を採用してコスト縮減と工期短縮
――ほかに特徴のある工事がありましたら
岩見 国道18号妙高大橋の架替えを行っています。現橋は橋長300mのPC4径間連続箱桁橋で、1972年に架橋されてから46年が経過しています。補修工事の際に、PCケーブルの一部破断などの損傷が確認されたことから、将来への恒久的な安全性を確保するために新橋への架替えを行うことにしました。
現橋の横に架ける新橋は、橋長203m、鋼2径間連続上路式トラス橋となります。主に、トラベラークレーンによる片持ち工法で架設する予定です（6月7日落札決定済み）。
妙高大橋（架替）橋梁一般図
橋脚高が最大約40mの高橋脚で、地下水位が高く玉石混じりの地盤であることから、橋脚基礎にはニューマチックケーソン基礎を採用しています。このため、橋脚数が増えると、経済性や施工性が非常に不利になることから、鋼2径間の橋梁形式を採用することで、コストを抑えて工事期間の短縮を図りました。現在は橋脚基礎を施工中です。
全景（右側が現道）／下部工の施工
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