西海岸道路もⅡ期線着手を検討
南部国道事務所 小禄道路、南風原BP、与那原BPの整備を推進
内閣府
沖縄総合事務局
南部国道事務所
前 所長
小幡 宏 氏
小禄道路の高架橋は現道を切り回しながらの施工
埋蔵文化財や戦時中の壕(戦争遺跡)に注意しながらの慎重な施工
――困難な施工が予想される構造物は
小幡 国道331号の現道上での施工となる小禄道路の瀬長~豊見城・名嘉地IC間の高架橋です。現道の交通量が約50,000台/日(H27センサス)あります。既存のロングランプの撤去を含んだ工事については、現道331号をどのように切り回ししながら施工していくか工夫が必要です。
また、赤嶺トンネルは既設のモノレール橋脚との近接施工(約10m)が課題となります。
――NEXCO東日本・上信越道の4車線化でも北陸新幹線と近接しているトンネルがあって、非常に苦労したという話を聞きました。とくに鉄道近接は困難な施工となると思いますので、管理値など具体的なことや沈下への対策などがあれば教えてください
小幡 軟弱地盤等の沈下が懸念される地盤ではないと考えておりますが、慎重に計測しながらの施工を想定しています。管理値は構造物を管理している沖縄県都市計画モノレール課と協議中です。
また、与那原バイパス、南風原バイパスは、埋蔵文化財や戦時中の壕(戦争遺跡)に注意しながらの慎重な施工となります。貴重な遺跡(平良原遺跡)があり、調査に約1年かかっています。それに加え、与那原バイパスの切土工では頻繁に不発弾が出てきた箇所がありました。与那原バイパスに限らず沖縄全エリアで、地盤掘削時には不発弾による事故のないように事前に磁気探査を行い、安全を確認しながら慎重に工事を進めています。
浦添北道路は6車線化へ
牧港大橋 Ⅱ期線はLCCをより考慮した設計に
――地元の方も期待している沖縄西海岸道路の浦添北道路Ⅱ期線について教えてください
小幡 臨港道路浦添線および浦添北道路が開通により並行する国道58号の現道部分の交通量が分散し、いい具合にバランスが取れていますが、2019年夏頃には臨港道路浦添線の沿線に沖縄県内で最大規模の大型商業施設(床面線60,000㎡、約250店舗、駐車場4,000台)ができます。
大型商業施設の出入り口が臨港道路浦添線側にしかなく、臨港道路浦添線および浦添北道路の交通量の増大が予想されます。
現在、臨港道路浦添線は、4車線でできていますが、浦添北道路は2車線で運用していますので、必然的に浦添北道路の交通容量も増やしていかなければなりません。
――浦添北から宇地泊ICを何車線に拡幅するのですか
小幡 現在は、3車線分の幅員を2車線で運用していますが、将来的にはⅡ期線側を整備し、延長2kmを6車線化する予定です。構造は一部土工がありますが、ほぼ橋梁です。(インタビュー後の3月末に新規事業採択が決定)
浦添北道路Ⅱ期線概要図(国土交通省発表資料より抜粋)
同標準断面図および縦断図(同上)
――陸側につくるのですか、それとも海側でしょうか
小幡 海側です。
――下部工は
小幡 これからです。土工部の用地は確保してあります。
――開通したばかりの牧港大橋の最大支間部は、少しイニシャルコストにこだわりすぎて、複雑な構造になったように思えました。2期線も同じような構造で行くのですか
小幡 コストも重要ですが管理し易い構造にしたほうが良いと個人的には思います。
――同路線の事業化は
小幡 まだ不明です。昨年3月に開通したばかりですから、交通状況を見極めながら、新規の必要性について検討していきます。