ショーボンド建設 補強工事に特化したアドバンテージを今後も生かす
ショーボンド建設株式会社
代表取締役社長
岸本 達也 氏
大規模更新 ファブやゼネコンを補完する形でJV
積極的な人員拡充を図る
――NEXCO3社や首都高速道路、阪神高速道路などが進める大規模更新・大規模修繕事業や長大・特殊橋の耐震補強事業分野の拡充をどのように行っていきますか
岸本 床版取替などは、ゼネコンやPCファブが取り組んでいる分野ですから、当社がそれに割って入るということはあまり考えていません。当社としては塗り替えやアウトケーブル補強など各種補強、トンネルの補修補強などの分野で協力するような他社とのJVを組んでいきたいと考えています。すでにNEXCO東日本の十和田管内では熊谷組、首都高速道路の耐震補強ではJFEエンジニアリングとそれぞれJVを組み、仕事をいただいています。
人員の拡充としては、中途社員および新入社員の採用を積極的に進めています。中途採用により昨年の7月から今年の2月の間で15人入社しました。新卒社員は4月に36人が入社する予定です。中途採用は即戦力として現場はもちろん研究分野でも優秀なスタッフが入っています。新卒も数年前と様変わりしています。以前は辞退などもありましたが、今年の新入社員は、「当社が受かったら、その時点で活動はやめます」と言ってくれる学生がたくさんいました。補修補強というと新設に比べてサブに感じる方が多かったですが、維持管理の時代においてメインフィールドとして捉えてくれる人も増えてきたと肌で感じています。こうした従業員に長く働いてもらえるように、働き方改革も進めていきます。
外国人に説明できる安全資料も作成したほうが良い
協力業者の安全・教育費用も負担
――働き方改革も重要ですが、4月からの外国人労働者の活用についてはどのように考えていますか。人手不足の解消が期待される一方で、安全対策への不安が取りざたされています。外国人労働者に対する各国語での最低限の安全マニュアルなどの作成などは考えていませんか
岸本 安全対策はもちろん重要視しています。当社やグループ各社だけでなく、関係する協力会社すべてに対して安全や作業の熟練を図る費用を負担していきたいと考えています。基本的には富士教育訓練センター等の活用を検討していますが、樹脂の扱いや塗装の施工方法の熟練や安全対策については、当社の補修工学研究所で担っていければと考えています。要望があれば補修工学研究所での講習は、当社関係だけでなくあまねく補修補強に携わる会社に対して担っていきたいですね。
外国人労働者の安全対策については直接ではありませんが、後に説明する海外事業などについて自社内での語学の精通の必要性を資料作成の面で痛感することがありました。足場や安全器具の設置、着用など最低限のことについては説明できる資料も作成したほうが良いと思います。もちろん視覚的に注意しやすい安全対策の拡充など、わかりやすい対策も図り、現場で事故が起きないようにしていきます。
三井物産と海外事業の合弁会社を設立
ミャンマー出身の学生などを採用、国内外の国際化に備える
――今後の海外事業の拡充などについて
岸本 1年半の水面下での調査を経て、4月から三井物産とインフラメンテナンスに関わる補修工法・材料の販売を目的とした合弁会社を設立します。2年前に三井物産からお声がけいただき進めてきたものですが、JICAなどを経由して、様々な国から工法や材料の説明のオファーを戴いたこともあり、事業性があると判断しました。
ミャンマー人の新入社員も採用して国際化に備える
ミャンマー出身の学生をここ数年で4人ほど採用していますが、こうした様々な国籍の従業員にも活躍してもらい、海外を新たな事業の柱として確立していきたいと考えています。国内においても、外国人労働者が増えることが予想されますから、そうした人々の導き役としても期待しています。
――ありがとうございました (2019年3月12日掲載)