2浴工法で高品質の防食を実現 溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっき
興和工業所 鋼製の排水溝、壁高欄、検査路などにSGめっきSPを展開
株式会社興和工業所
土木建材事業本部長
今岡 豊志 氏
複合腐食環境向けはSGめっきSP+α
鋼製排水溝はSGめっき+ナイロン12粉体で対応
――SGめっきSP+ナイロンコートは
今岡 溶融亜鉛めっきに比べて、SGめっきSP単体仕様は塩害環境では強い優位性を示しますが、耐薬品性(酸性、アルカリ性)には、塩害環境ほどの優位性はありません。
従って、これらの複合腐食環境向けへは、SGめっきSP+樹脂塗装、を施し耐食性を向上させています。
鋼製高欄へは、1992年からSGめっき上へ、ポリエステル紛体塗装又はナイロン12をコーテイングし、2重防食仕様として販売しています。
投物防止フェンスなどフェンス類には、97年からSGめっき+ポリエステル紛体塗装で販売しています。
99年からは、メーカーとして鋼製高欄の表面処理をSGめっきもしくはSGめっき+粉体塗装を標準にしました。
鋼製排水溝の重防錆仕様は04年からSGめっき+ナイロン12紛体で対応しています。
外付鋼製排水溝
表面処理から世の中を見る会社
SGめっき+ナイロン12は初納入から26年
――現在までの主な実績は
今岡 現在当社の売り上げの半分以上を表面処理が占めます。その延長線上で土木建材事業部もできた経緯があります。表面処理から世の中を見る、当社はそういう会社です。
SGめっき+ナイロン12は初納入から26年経っています。92年に福井県美浜町の「和田橋」で初採用されました。若狭湾の河口部にあり、塩害環境が厳しい状況ですが、健全性を保っています。厳密にいうと本体はSGめっき+ナイロン12で、高力ボルトはSGめっき仕様です。そのため、海側(北側の添接部)は錆が若干進んでいます。一方で同じSGめっきを施したボルトでも山側(南側)はそれほど損傷が進んでいません。同じ箇所にあるドブ漬けのフェンスは大きく損傷しており、粉体塗装したガードレールも錆が激しく進行しています。
和田橋に設置された鋼製高欄
北九州市戸畑区の「テクノ大橋」でも同仕様の鋼製高欄、投物防止フェンスを納入しましたが、ここは海から3km程度離れていることもあり、損傷は生じていません。
テクノ大橋の壁高欄と投物防止フェンス
ほぼ大阪湾上にある「高石大橋」(高石市の本土と埋立部を結ぶ海上橋)でもエキスパンドメタル製フェンスにSGめっきが97年に施工されました。21年経過後も変化は見受けられません。
高石大橋のフェンスは21年経過後も変化が見られない
同年には、名港トリトンも投物防止フェンス(G1フェンス)へ、SGめっき+ポリエステル粉体塗装仕様が各種仕様とのコンペの結果、採用されました。その採用距離は約16kmに達しました。JH名古屋建設局(現NEXCO中日本名古屋支社)で大々的に採用された初めての思い出深い現場です。これがあったからこそ、その後、新名神は木曽三川までG1フェンスへ同仕様で約10km追加納入することができました。21年が経過した現在も腐食は見受けられません。同じ時期に納入した溶融亜鉛めっきのボックスビームはすでに錆の発生が見受けられます。同橋の直下には新日鉄や愛知製鋼、石油関連施設などがあり塩害だけでなく、耐薬品性も必要。その意味ではこの仕様は最適でした。
名港トリトンに設置されたフェンス