道路構造物ジャーナルNET

日勝峠道路は10月28日に供用済

帯広開建 台風10号復旧 小林橋、清見橋の架け替え進む

国土交通省
北海道開発局
帯広開発建設部長

河畑 俊明

公開日:2017.12.21

要補修対策は144橋
 今年度は32橋を施工予定

 ――橋梁の長寿命化修繕計画に基づいた対策の進捗状況についてお答えください。また具体的な損傷状況と補修補強内容についても例を挙げていただけましたら幸いです
 河畑 平成29年度以降に、補修対策が必要とされている橋梁は144橋あり、本年度は32橋を施工予定です。
 主な損傷内容は、コンクリート製主桁の凍害、RC床版の凍害、防護柵の腐食、伸縮装置の破断、排水管の腐食などです。対策として、主桁の断面修復、床版の断面補修と床版防水工、防護柵の取替、伸縮装置の取替、排水管取替を実施しています。

平成26~28年に96橋の上部工で補修補強
 伸縮、地覆補修、床版補修、橋面防水など

 ――経年劣化や疲労などによる上部工補修・補強のここ3年の実績と、平成29年度の施工計画について、また鋼床版の疲労亀裂に関する詳細調査および要補強対策工についてお答えください
 河畑 平成26年度からの3年間で96橋の上部工について補修・補強を実施しました。主な工事としては床版補修29橋、橋面防水27橋、伸縮装置取替・補修34橋、地覆補修33橋等となっています。
 平成29年度の上部工補修・補強は6橋の施工を予定しています。鋼床版の疲労亀裂の該当はありません。
 ――コンクリート桁の損傷状況をもう少し具体的に
 河畑 ひび割れ等が所々で生じています。
 ――それはPC橋もですか
 河畑 一部のPC橋においてシースに沿ったひび割れからエフロレッセンスが発生している橋梁があります。

昭和63年以降の新設橋は床版防水を実施
 今年度は15橋で床版防水工を予定

 ――床版防水は管内の敷設状況を把握されていますか
 河畑 開発局では昭和63年以降の新設橋については床版防水を実施しており、これ以前の既設橋については、橋面補修時に床版防水を実施しております。
 ――今年度の床版防水施工予定は
 河畑 床版防水については、平成29年度に15橋の施工を予定しています。
 床版防水は塗膜系防水が多く用いられていますが、架橋位置の環境条件、交通量及び床版の劣化要因・範囲・規模などを勘案して工法を採用しています。
 ――十勝大橋では複合防水工を施工されていましたが、塗膜防水とはどのような工法を指しますか
 河畑 塗膜防水とは、アスファルト系(加熱型)塗膜系防水材を用いた工法です。
 ――支承やジョイント取替工およびノージョイント化について今年度の施工予定箇所数と取り替える際の工法・種類をお答えください
 河畑 平成29年度は、支承取替を2橋、伸縮取替を6橋で予定しています。ノージョイント化の予定はありません。
 ――塩害、アルカリ骨材反応などによる劣化の有無。劣化があればどのような形で出ているかお答えください。また、その対策工法などを具体的な橋梁などを挙げてお答えください
 河畑 広尾町内の国道236号博清橋(橋長317.8m 2径間連続非合成箱桁橋×2+3径間連続非合成鈑桁)では塩害により、排水管の防食機能の低下および破断のため、排水管の取替による補修を行っています。管内ではアルカリ骨材反応による劣化の補修実績はございません。
 ――2016、17年度の鋼橋塗替え予定および実績(橋数および面積)を示してください
 河畑 16年度の塗り替え実績はありません。17年度は国道236号の振別橋で840㎡塗り替えます。
 ――溶射など新しい重防食の採用事例は
 河畑 桁本体は重防食塗装で塗り替えています。溶射は16年度に支承など部分的な防食として採用しています。
 ――PCBや鉛等を含有する既存塗膜の除去については2014年5月30日に厚生労働省から出た文書を受けて、どのように対応していますか
 河畑 鉛など有害物質を含有する塗装の剥離作業を行う場合は、有害物質の飛散を防止するために、厚生労働省の基準に基づき湿式工法等を採用しています。但し必要(素地調整の要求性能)に応じて作業者および外部環境への安全に配慮しながらブラストおよび電動工具での処理を行っています。

耐候性鋼材採用橋梁は12橋
 採用全橋梁とも健全度Ⅰ

 ――近年、耐候性鋼材を採用した橋梁で錆による劣化・損傷が報告される事例が生じていますが、帯広管内で採用している耐候性鋼橋梁の数と健全度状況を示してください
 河畑 管内で耐候性鋼材を採用している橋梁は12橋です。平成28年度の橋梁定期点検ではいずれも「Ⅰ」と劣化は見られず健全でした。
 ――全国的に異常気象などによる土砂災害が相次いでいます。帯広管内も昨年の台風10号を中心とした水害が起きましたが、道路に面する斜面や古い法面などをどのように補強・補修して道路を守っていくのか具体時期な事例や計画などがありましたら示してください
 河畑 毎年実施している各種点検や道路巡回の結果に基づき、対策が必要とされた法面などについて順次対応しています。
 例えば国道274号日勝峠では、法面などの補修工事を実施し、現場打ち吹き付け法枠工事などを実施しています。また、国道336号襟広防災事業においても、防災事業としてオリコマナイ地区において、27年度から岩盤掘削や現場打ちのり枠工などを施工しています。
 ――新技術やコスト縮減策の活用は
 河畑 桁端部の漏水対策のため、従来の伸縮装置の取替から既設伸縮装置の下に樋やゴム製排水装置を施工することでコスト縮減を図っています。 
 ――ありがとうございました
(2017年12月20日掲載)

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム