道路構造物ジャーナルNET

ベンチャーからPCに必須な企業の軌跡

エスイー50周年 森元会長インタビュー

代表取締役会長 執行役員会長
エスイーグループCEO

森元 峯夫

公開日:2017.09.05

新エネルギー開発に取り組む

 ――ESCON以外に取り組んでいる新しい分野は?
 森元 新エネルギーの開発です。日本は資源小国であり資源は輸入に頼っています。人口減少、近い将来に考えられる国富の減少を考慮すると危うい状況にあります。これを何とかしたい。そのためには自国で採算の取れる新エネルギーを開発することが必要です。
 ――太陽光や風力、地熱などの既存クリーンエネルギーの拡充ということですか?
 森元 全く違うものです。マグネシウムなどを触媒にナノテクノロジーとプラズマを利用した放射線も炭酸ガスも発生しない電気エネルギーです。開発した方にご支援いただきながら、開発に必要な機材、人材を買収して本格的に取り組んでいます。日本に存在する資源を利用して開発することができます。東京五輪までの3年間をめどに原型を作っていきたいと考えています。

保全事業は早期に5割増目指す
 10年後には売上1,000億円超の企業に

 ――保全事業への取り組みは?
 森元 エスイーリペアを軸に九州を中心として18億円ほどの売上に留まっています。今後もM&Aを行って規模やエリアの拡大を図るとともに、ESCONを保全にも導入することで他者との差別化を図っていきます。例えば大規模更新においてRC床版をPC床版に交換する取り組みが進んでいますが、活荷重合成桁を非合成桁化する場合、現在の厚さ・重量では既設桁が死荷重に耐えられません。ESCONを導入すれば床版厚を薄くし死荷重を減らせます。当社にはアウトケーブルの提供による桁補強による座屈耐力の向上も提案できるという強みもあります。
 私は30年前に日本構造物診断技術協会を創設しました。常々、会長や事務局に言っているのですが、地方創生をしないと日本は強くなれません。一極集中ではだめです。では地方を強くするにはどうしたら良いのか。それは地方の建設産業を活気づけることです。しかし地方はお金もなければ人もいない。しかしインフラの老朽化は進んでいます。インフラの修繕を積極的に行えば、地方の建設業界もそれに携わることができ、建設業はもちろん(インフラ修繕による走行性の向上により)様々な産業の活性化に繋がります。その資金調達も真剣に検討していくべきです。
 また同協会では、協会の試験を受けて国の認定を取得した有資格者(構造物診断士)が450人ほどいます。その人々をリストアップして、各市町村で活躍できる枠組みを構築しつつあります。
 こうした取り組みをミックスアップすることで、短期的には保全分野の売上を早期に25億円ぐらいに持っていきたいと考えています。
 ――10年後はどれくらいの規模(売上・人員)にしたいと考えていますか?
 森元 とりあえず10年後には売上1,000億円を目指したい。ESCONと新エネルギーを考えれば10年かからないと考えています。人員は規模の拡大に従って必要な人数を増やしていくことになると思います。一方、異業種のベンチャーとの協業によって事業領域を拡大し利益を出していくつもりです。
 ――ありがとうございました。

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