首都圏のネットワーク道路として重要な役割を担う
NEXCO東日本三郷管理 東京外環道 鋼床版の補修・補強施工を進める
東日本高速道路株式会社
関東支社
三郷管理事務所 所長
紫桃 孝一郎 氏
交通量の関係でグレードⅠでの床版防水工
車両交通規制の方法が課題に
――舗装の補修状況は
紫桃 現在は約9割が高機能舗装となっています。表層は改質アスファルトⅠ型を用いた高機能Ⅰ型となっています。28年度発注では、管内全体で約28,000㎡の舗装修繕工事を行っています。
舗装修繕時に床版防水工をあわせて行っていますが、交通量の関係で夜間しか施工できないため、グレードⅠとなっています。グレードⅡの防水工には1週間程度の車線規制が必要ですが、現実的には難しいものがあります。
舗装補修工事
――床版防水をグレードⅡで行うには何が必要でしょうか
紫桃 SFRC舗装の施工だけでも1年以上準備して、お客様にご迷惑をかけながら昼間の車線規制をして行っています。その点からも、極力ご迷惑のかからない交通規制の方法や、集中工事ができるような体制づくりを考えていくことが必要だと思います。
――大規模補修の予定はありますか。また、大規模修繕対象としての高機能床版防水への交換は
紫桃 まだ確定はしていませんが、鋼床版の補修と補強は毎年行っていく予定です。交換については今後の課題で、まだ具体化していません。
――供用開始後25年で、1日あたりの交通流量が平均15万台とかなり多い。今後、床版の疲労損傷がさらに進み、RC床版では砂利化現象が起きる可能性もあります。5年後10年後を考えての対策はありますでしょうか
紫桃 55年道示の基準で版厚はある程度あるので、昔のように押し抜きせん断などの損傷の可能性は小さいと考えています。しかし、損傷が進み、補修と補強が差し迫っている鋼床版がかなりあるなかで、先にも説明したように、交通規制との折り合いをつけていかなければなりません。現在は、亀裂が出始めてから補修を行う事後保全となっていますので、予防保全がどこまでできるかをこれから考えていかなければなりません。
――長寿命化の取り組みとして考えていることは
紫桃 長寿命化のことよりもむしろ、日常点検や5年に1回の定期点検を合理的かつ効率的に行うことをいろいろと考えています。たとえば、路面性状調査車のような車両で遮音壁や付属物をカメラで劣化状況を確認して点検をできないか、といったことです。また、遮音壁や外装板の外側を点検する車両や、外環道には遮音壁があるため普通の橋梁点検車が使用できないので、遮音壁を越えて点検できる車両。そのようなものをグループ会社含めて研究しています。これは外環道だけでなく、ほかの道路にも転用できると考えています。
――ありがとうございました
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