白鳥工区 2車線のトンネルを新設
新設トンネル築造後、既設トンネルを補修・拡幅
――主要地方道小倉西舞鶴線(白鳥工区)は
斉藤 舞鶴港は東が軍港(現在は自衛隊)、西が貿易港として栄え、国道27号が2つの性格の異なる港を結んでいますが、交通量が多く朝夕に渋滞が生じています。同線はそのバイパス道路として建設が進む、舞鶴市小倉の国道27号を起点として同市引土で27号に再合流する約11㌔の道路です。国道27号と共に同市東西の市街地を結ぶ重要な路線で舞鶴若狭自動車道へのアクセス道路としての役割も担っています。
そのうち、白鳥隧道(165㍍)およびその前後約1.4㌔には歩道が無く、特にトンネル区間は幅員狭小(約5.5㍍)で路肩が狭い状態であり、歩行者や自転車の通行が非常に危険な状態です。トンネル構造物自体も昭和25年に築造されて以来60年以上を経過しており、覆工が無い箇所での岩盤の劣化、漏水対策工(ライナープレート)の腐食など老朽化が進んでいます。また、トンネル付近の現道には、周辺の市道からの合流による交通集中のため慢性的に渋滞が発生しています。そのためトンネルおよびその前後を4車線道路に整備し、渋滞緩和と歩道設置による通行の安全性向上を図ります。現在は坑口付近の用地補償に着手しています。
――トンネルの4車線化はどのように行うのですか
斉藤 現道の横に新しい2車線のトンネル(約330㍍)を整備し、そちらに交通を振った後、現道のトンネル部(165㍍)を補修および拡幅し、最終的には整備した4車線道路として供用します。
東中央線 (仮)木津川橋梁の上部工架設に着手
377㍍の鋼7径間連続合成細幅箱桁橋
――都市計画道路東中央線は
斉藤 同線は木津川市木津~山城町上狛に計画している1.43㌔の事業です。木津川市の上狛四丁目交差点から木津川を渡り大谷交差点に至る区間は国道24号と163号の張福区間になっており、非常に渋滞の激しい区間になっています。そのため国道24号(泉大橋)からJR関西本線を超えた東側の位置に、木津川およびJR関西本線を跨線する新しい橋梁を整備し、学研都市木津中央地区に至る4車線のバイパス道路を計画しています。学研の地域内はすでに4車線道路(片側2車線)が供用されており、国土交通省が整備を進めている木津東バイパスが整備されれば、木津川市中心部にスムーズに行くことができます。また、国道24号が仮に災害や事故によって通行止めになっても、代替路線として確保できます。平成21年度から事業着手しており、今年度は(仮)木津川橋梁の上部工架設に着手します。
(仮)木津川橋梁の上部工架設に着手
――(仮)木津川橋梁の橋梁形式および進捗状況は
斉藤 橋長377㍍、有効幅員11㍍の鋼7径間連続合成細幅箱桁橋です。防食手法は耐候性鋼材および塗装を採用しています。現在は下部工を全て完了し、上部工架設を開始しています。
――今後建設予定の事業と構造物があれば
斉藤 山陰近畿自動車道の京丹後大宮IC以北の5㌔については直轄権限代行で既に事業着手しています。その先線は未事業化ですが、できれば直轄権限代行で延伸して行って頂ければと考えています。
戸田橋を一部架け替え・延伸
由良川の河川改修に伴い
――他に計画中の構造物は
斉藤 由良川の河川改修に伴い、一般府道524号(石原停車場戸田線)の福知山市内の由良川渡河部にある戸田橋の一部架け替え・延伸を予定しています。現在は仮設歩道橋設置の上、車両通行止めを実施し、車道部の撤去を行っています。
戸田橋で設置した仮橋
――橋長、橋梁形式は
斉藤 橋長271.6㍍の鋼6径間合成鈑桁橋のうち1径間約45㍍を撤去し、134.2㍍、有効幅員10㍍の鋼3径間連続非合成鈑桁橋を設置するものです。
――他、架け替え予定の橋梁は
斉藤 耐震対策の一環として、京丹後市内の主要地方道網野峰山線の福田川に架かる岩止橋を架け替えています。橋長21㍍、有効幅員14.75㍍のPCプレテン単純中空床版橋で、現在施工中です。
老朽化した大門橋も架け替えへ
――構造的に陳腐化した道路の架け替えは
斉藤 京丹後市内の一般府道間人大宮線の竹野川に架かる大門橋があります。同橋は定期点検でⅣ判定が出まして通行止めをかけています。今秋から現橋の横に仮橋を架けて、現橋を落とし、その後に新しい橋を架ける予定です。
大門橋も架け替えへ
――新技術・新工法の適用について何かあれば
斉藤 京都府が管理する橋梁は桁端部の損傷が特に多く、その損傷状況をフィードバックする形で、新規の橋梁設計に反映するよう努めています。
――具体的には
斉藤 耐候性鋼材でも端部塗装を施すことなどを行っています。コンクリート構造物の桁端部については、現場毎に工夫をしている事例はありますが、府で何か塩害やASR対策でオーソライズするようなことはしていません。
――ありがとうございました