道路構造物ジャーナルNET

15橋、7トンネル含め全線をH30年度に供用

NEXCO東日本小樽工事 余市~小樽間が全面展開  

東日本高速道路株式会社 
北海道支社 
小樽工事事務所長

林 正幸

公開日:2016.09.29

フゴッペ川橋が連結 蘭島橋上部工もP3~A2間残すのみ
 最大支間長は桃内橋の112㍍ 桁高は支点部で8㍍に達する

 ――上部工の進捗状況は
 林 上部工については、今年が架設ラッシュになっていて、もうすぐ完成しそうなところまで進んでいるのが、フゴッペ川橋(228㍍、PC4径間連続箱桁)です。張り出し架設で施工しており、先ごろ連結しました。現在は橋面工を施工中です。次いで、蘭島橋(PC5径間連続箱桁)もP3~A2間を除き完了しています。同橋は固定支保工で架設しており、小樽市道直上にあるP3~P4間の特殊支保工は夜間架設した上で施工しています。


フゴッペ川橋とフゴッペトンネル/北海道道や河川と交差

現在は橋面を施工中だ

蘭島橋一般図

 蘭島川橋(360.5㍍、鋼7径間連続2主鈑桁)は下部工を全て完了しており、上部工は今春から施工着手しました。今年度内に桁架設(トラッククレーン)は完了する予定で、次いでPC床版と橋面工を来年度に施工する予定です。


蘭島川橋の一般図

蘭島川橋の桁架設状況と完成予想図

 桃内橋(377㍍、PC4径間連続ラーメン箱桁)は、管内で最大の支間長112㍍となる橋です。橋脚については、高橋脚となるため経済性を考慮して中空形式を採用しています。但し、鉄筋量はかなり多く、柱頭部の主筋でD51が2段に達しており、施工上細心の注意が必要です。


桃内橋一般図

桃内橋の現況

 ――コンクリート打設にはかなりの負担になりそうですが現場はどのような状況ですか。また、桁高は
 林 難しい箇所ではありますが、問題などは生じていません。桁高は支点部で8㍍に達します。
 桃内橋は現在P1、P2とP3が完了しており、上部工の張出し架設に入っています。橋台は今春から施工中です。上部工架設は平成29年までかかると考えています。
 ――桃内橋に関してはエクストラドーズドや波型鋼板ウエブなどを採用する考えはなかったのですか
 林 一般図を作成している時に比較検討していますが、北海道の積雪を考慮した維持管理を考えたときに、鋼板やケーブル定着部の防食、ケーブルへの積雪が生じることなどから、現形式を採用しました。

小樽西IC関連も今年度上部工施工

 ――次いで小樽西IC関連は
 林 塩谷川橋上下線(上162.5㍍、鋼3径間連続2主鈑桁、下170㍍、鋼3径間連続2主鈑桁)および小樽西IC Cランプ橋(129.5㍍、鋼3径間連続2主鈑桁)およびの工事を進めています。塩谷川橋についてはA1~P2の下部工を完了しており、現在A2を工事中です。ランプ橋はA1とP1が完了しており、A2とP2について施工中です。
 上部工は送り出し架設を採用しています。3橋ともIC側から本線方向へ送り出します。7月から塩谷川橋上り線の鋼桁を架設しており、上り線は送出しを完了し桁降下中です。今年中に上下線の架設を完了したいと考えています。また、Cランプ橋の架設は平成29年度に施工する予定です。


塩谷川橋上り線の鋼桁架設

伍助沢橋は鋼桁とRC橋脚を剛結してラーメン構造に
 脚頭部は鋼製のボックス形状 そこに鈑桁と橋脚主筋を突っ込む

 ――次いで伍助沢(ごすけざわ)橋は
 林 橋長216㍍の鋼5径間連続ラーメン2主鈑桁橋です。下部工は完了しており、今年から上部工に着手しています。上部工は今年1年で架設を完了する予定です。上部が鋼構造、下部がRC構造となっているのを剛結する形式です。


伍助沢橋一般図

伍助沢橋の架設進捗状況

 ――剛結部の構造は
 林 脚頭部は鋼製のボックス形状になっており、そこに下部工の主筋および鈑桁を一体化してコンクリートを打設する構造です。コンクリートとの剛結は孔あき鋼板ジベルにより鋼部材との一体化を図ります。
 ――上部工で実施例のあるPC・鋼異種剛結で用いられる接続手法を援用したものと言えますね
 林 そうです。施工は川田工業が担当しています。ラーメン構造にすることで耐震性の向上や、支承の省略によるイニシャルおよびライフサイクルコストの縮減も図ることができます。一方で、特に剛結部の品質確保には細心の注意を払いながら施工に当たっています。

天神橋は管内最長の681㍍
 ピア高も60㍍弱と管内最高

 ――次いで管内最長の天神橋は
 林 橋長は681㍍と橋梁では一番長い橋となります。形式はPC9径間連続ラーメン箱桁を採用しています。地上高は60㍍弱となり、ピア高も管内最大です。天神橋は、2011年に廃止された奥沢ダムに通じる道路に位置する橋梁で、さらに同橋と奥沢ダムの間には北海道新幹線の新駅(新小樽駅)が設置される予定と聞いています。


天神橋橋梁一般図/天神橋完成予想図

天神橋の施工進捗状況

 現在は最もピア高のあるP5とP6を含むP3~P6の施工が完了しています。最初につながるのも同径間です。上部工はP5、P6で張出し施工中、P3、P4で柱頭部・脚頭部施工中です。残りの下部工はP1、P2、P7、P8を施工中です。同橋の完成は平成30年度を予定しています。
 ――朝里川橋までの間は
 林 恩根内橋と豊倉橋があります。両橋とも50㍍弱のPC単純ポータルラーメン版桁を採用していて、現在豊倉橋は上部工まで施工を完了しており、恩根内橋は準備工事中です。


桁架設まで完了した豊倉橋

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