塩害を考慮して新設、保全対策
北部国道 名護東道路など5事業が進捗
内閣府沖縄総合事務局
北部国道事務所
所長
喜舎場 正秀 氏
読谷道路 5橋を施工中
開削トンネルを一部着手
――読谷道路は
喜舎場 沖縄西海岸道路の一角をなす読谷村親志~古堅間の延長約6.0㌔に施工中の道路事業です。すでに座喜味~喜納間1.5㌔と、大木~古堅間1.3㌔を暫定2車線で供用しています。現在は親志~座喜味間(県道12号~国道58号間)2.0㌔の工事を進めています。同区間は山がちな地形で、構造物は橋梁と切土が中心です。現在は1、2、3、5号橋の上下部工を進めています。また、4号橋の施工にも着手します。
中間部の喜納~大木間0.9㌔については、県道6号に隣接する部分(大木側)で土地区画整理事業が進んでおり、今年度末に借換地が済む計画になっています。また、読谷補助飛行場跡地付近から県道6号までは高低差があるため、南側は掘割、北側は開削トンネル(構造物的にはボックスカルバート)で施工していく予定です。今年度一部を発注する予定でいます。
上半掘削_削孔状況
坑外全景
――管内で最も特徴ある橋梁は
喜舎場 金武バイパス1号橋です。P7~A2間のみ鋼ローゼ桁を採用しています。
防食 エポ鉄筋やポリエチレンシースを採用
鋼橋塗装も手厚く
――鋼橋、コンクリート橋の防食上の工夫について
喜舎場 沖縄県は厳しい気象条件下にあることから、全国仕様より膜厚の大きい重防食塗装「沖縄地区鋼橋塗装マニュアル(案)」を採用し、厳しい塩害環境における鋼橋の合理的な維持管理に努めています。
恩納BP 米軍基地を一時的に借地して施工する可能性も
名護東道路 4号トンネルの施工はNATM+AGF
――今後、とりわけ困難な施工が予想される構造物について数カ所挙げて説明して下さい
喜舎場 恩納BPにおいては、今後下り線(那覇向け)の橋梁が予定されています。同橋梁は既設橋梁と米軍基地に挟まれた箇所で施工しなくてはならず、既設構造物との近接施工はもちろん、場合によっては米軍基地内を一時的に借地して施工しなくてはならない可能性があります。
また、名護東道路の4号トンネルの施工にあたっては、これまでの3本のトンネル工事によって蓄積されたデータなどから、周辺地域の地下水などの水質や水量への影響を把握することが重要になると考えることから、事前のモニタリングを行っています。基本はNATMで掘削しますが、補助工法(長尺鋼管フォアパイリング(AGF))工法を用いて慎重に施工する予定です。
一方、切土施工では、切土してそのままの状態で空気にさらしておくとすぐに崩れる危険性がありますから。恩納BP、恩納南BPでは吹き付け、あるいはグラウンドアンカーにより補強しています。