道路構造物ジャーナルNET

港川橋梁・牧港橋梁の上部工に着手へ

南部国道 那覇空港自動車道や沖縄西海岸道路を推進

内閣府 沖縄総合事務局 
南部国道事務所長 

上原 重賢

公開日:2016.07.16

浦添第3陸橋で塗膜剥離剤工法
 今後も既設塗膜除去に採用していく方針

 ――鋼橋塗替え実績と今年度予定は
 上原 昨年度は浦添第2陸橋で1,270平方㍍塗り替えました。今年度は、ジョイント取り替えと同様に白比橋で、約700平方㍍塗り替え予定です。溶射など新しい防食方法を実施する予定はありません。
 ――PCBや鉛を含む塗膜処理方法は
 上原 管内でPCBを含む塗料を使用している橋梁は今のところありません。鉛を含む塗膜を有していた浦添第3陸橋では「インバイロワン工法」を活用し、既存塗膜を除去しました。除去した塗膜は特定有害産業廃棄物として最終処分を実施しています。今後もそうした塗膜では塗膜剥離剤を使用していく方針です。

泊高橋 サンドイッチ型複合床版に取替
 既設RC床版の鉄筋近傍の内在塩分量が4.52kg/㎥を示す

 ――保全の中で、管内の特徴のある代表的工事について教えてください
 上原 やはり国道58号の泊高橋です。同橋は米軍統治下の1952年に架設された橋長30.7㍍の鋼単純桁橋でリベット接合を用いています。なお、1975年には既設橋の上下流(両側)に鋼単純I桁橋(昭和47年道示)で拡幅されています。同橋近傍の交通量は1日75,000台超に達します。また、泊交差点に近く、車線規制を伴う施工が非常に難しい状況にありました。
 同橋は海岸から500㍍と近接しており、塩害環境にあります。また先ほども話ました通り、床版コンクリートの内在塩分量も多いため、99年に床版の断面修復、下面への炭素繊維補強、表面被覆の補修工事が実施され、その後06年に再度、支承やジョイントの交換、鋼桁の塗装、床版の部分保護塗装などが施されました。しかし、11年度の床版調査結果から、内在塩分量が鉄筋近傍で4.52kg/㎥という高い数値を示し、全体的に鉄筋の腐食も進んでいたことから床版を取り替えたものです。取替に用いる床版については、現場での工程も短縮できるサンドイッチ型複合床版(箱形の鋼製パネルの中にコンクリートを充填する鋼・コンクリート合成床版)を採用して施工しました。


サンドイッチ型複合床版への取替状況

 ――全国的に異常気象などによる土砂災害が相次いでいますが、道路に面する斜面や、古い法面等をどのように補強・補修して道路を守っていくのか具体的な事例や計画などがございましたら教えてください
 上原 基本的には、道路土工方針に基づいて対策を検討しています。加えて周辺の災害履歴なども参考にすることがあります。
 法面は古いから弱いとは限らず、逆に植生の根や土砂が締まり安定することの方が多いと考えています。
 道路法面を対策する場合は、最初に安定勾配を確保可能であるかどうかを確認し、5%勾配以上は急勾配として擁壁などの構造物で対応しています。急勾配では、法面を抑えるだけで済む場合は、植生工および岩などは吹付工などで対応しています。
 現場が浸食を受けやすい箇所か、湧水の有無、地滑り地帯であるか否かなどで、特別な対応を行っており、平成26年度には具志堅地区防災対策工事で鉄筋挿入工とロープネットによる落石対策を行っています。
 ――ありがとうございました

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