トンネルは15か所を管理
今後は5年ごとの定期点検を行う
――県が管理しているトンネルの状況は
永石 佐賀県では15箇所を有していますが、そのうち2箇所は県境トンネルであり、長崎県と共同で所管しています(両県が1つずつ委託管理)。工種は在来矢板工法が6箇所、NATMが9箇所となっています。供用年次別は最も古い国道204号牟形トンネル(延長81㍍)が41年で、31~40年が5箇所、21~30年が2箇所、11~20年が4箇所10年以下が3箇所となっています。
――健全度の状況は
永石 平成23、24年度に詳細点検を行いました。その結果、牟形トンネル、(主)厳木富士線広瀬トンネル(252㍍、33年経過)、同西宇土トンネル(186㍍、31年経過)、同古川トンネル(188㍍、32年経過)の4トンネルが、漏水やひび割れ、遊離石灰などが見られたため、26年度に補修を行いました。また、NATMで施工した(主)鹿島嬉野線鳥越トンネル(604㍍、14年経過)は路面の方で膨張が見られたため、ドレーン管を設けて速やかに排水できるような対策を施しました。
――トンネルも橋梁と同様に長寿命化修繕計画を立てるようなことはありますか
永石 数が少ないため、長寿命化修繕計画は策定していませんが、5年に1回定期点検を行い、必要に応じて、補修・補強工事を行います。
道路防災対策 緊急輸送道路上を優先対策
平成30年度末までに整備率を91%に
――全国的に異常気象による土砂災害が多発しています。佐賀県でも伊万里市の一部などで地滑りし易い箇所を有しますが、道路防災対策の実施状況は
永石 総合計画2015において道路防災対策の推進を施策に位置付けていまして、具体的な数値目標を立てています。県管理道路のうち、緊急輸送道路については優先的に対策を行う一方、緊急輸送道路以外の道路については、優先順位をつけ対策を実施しています。
現在は、614箇所中396箇所の対策を完了しています。しかし、未だに218カ所が残っているため、継続して防災対策に取り組んでいく必要があります。そのうち緊急輸送道路上の要対策箇所は126箇所あり、この整備率について27年度末で76%(96箇所)、30年度末には91%(115箇所)までに進めることを目指しています。同様に緊急輸送道路以外の要対策箇所の整備率についても27年度末で66%(320箇所)、平成30年度末で75%(364箇所)まで進める方針です。
道路防災対策の実施も進めている
――以前、対策した法面でも、モルタル吹付けした法面が損傷している事例が見られます。そうした箇所への補修は
永石 そうした箇所についても県独自で点検を行っています。要補修対策箇所は、222箇所あり、平成27年度末までに95箇所が完了しています。
――ありがとうございました