30箇所を平成34年度まで対策
設計VEを導入
――全国的に異常気象などによる土砂災害が相次いでいますが、静岡市として道路に面する斜面や、古い法面などをどのように補修・補強して道路を守っていくのか具体的な事例や計画を教えて下さい
柴 本市では平成26年度に「静岡市道路構造物維持管理計画(法面編)」を策定しました。
道路に面する斜面への点検および対策としましては、概ね10年に1回道路防災点検(平成18年に実施、28年に実施予定)で山間部の一般国道(1路線)、県道(19路線)、災害時に孤立が予想される市道(43路線)を対象に実施しています。また、緊急・早期に対策が必要と判定された箇所について、危険度・重要度によって設定した管理区分に基づき優先順位を設定し、事業計画を策定しています。
古い法面(過去に対策済み)への点検および対策としましては、山間部の緊急輸送道路に指定された路線の山側法面において、道路ストック総点検を概ね10年に1回実施予定であるほか、災害防除事業により落石対策(落石防護柵、ポケット式落石防護柵、覆式落石防護柵)、崩壊対策(吹付工、法枠工、ロックボルト工、アンカー工、植生工)、地滑り対策(排水ボーリング工、集水井)となっています。
点検結果や事業計画に従い対策を進めていますが、市域の約80%を中山間地が占めるため、点検により何らかの要対策対象となる箇所が多くなっています。点検対象以外にも道路パトロール等で発見された危険箇所への対応が多いことや、中山間道路は幅員が狭いため、対策には新たな用地取得が必要となる場合が多いのですが、その用地取得が困難(未相続、公図と現地の不整合)な箇所が多いこと、予算状況等で進捗が前進しない傾向にあります。
このような状況下ですが、本市の道路整備の方向性を示す「第2次静岡市のみちづくり」では「緊急輸送道路上の緊急・早期に対策が必要な30箇所を平成34年までに対策を完了する」ことを目標に取り組んでいます。
――民地からもらい災害は
柴 あります。道路脇が民地であることや、斜面上の上の土地が民地である箇所から落石などが生じて、道路瑕疵として対応している場合があります。ただ権利関係や山深い箇所に道路が走っていることから、全ての箇所に手を入れることは困難な状況です。
――新技術や、コスト縮減策などの用について
柴 橋梁に限らず市で発注する工事は、良質な社会資本を低廉な費用で整備する取り組みとして、平成10年度より継続してコスト縮減に取り組んでおります。25年度までは、施策を金額換算することで、コスト構造改善の状況を表現し、合理的な設計推進や建設副産物対策等の推進を中心に積極的な取り組みを行っておりましたが、それ以降はこれまでの施策の取り組みを継続し、工事品質の向上や民間技術力を最大限に活用し、インフラメンテナンスの体制確保など新規施策を導入した計画が策定されています。
具体的導入例として設計VEを導入することで利用者目線による機能向上とコスト縮減を図るとともに、職員の技術力継承機械の創出にもつなげています。また発注者指定による新技術・新工法を採用することで、具体的にはNETISを活用し、より良いものをより安く活用しています。
――ありがとうございました
(2016年3月16日掲載)