道路構造物ジャーナルNET

耐候性鋼材などの診断、補修技術も検討

橋の架け替え3原則、橋の減築を提唱

一般財団法人 土木研究センター
理事長

西川 和廣

公開日:2016.01.01

 ――最後に理事長を務めている土研センターについて
 西川 土研センターは今年で創立から37年になります。当センターには橋専門の部署があるわけではありませんが、材料構造研究部で鋼橋の防食や塗装(主に部分塗装による維持管理の効率化)やコンクリート橋の電気防食やコンクリート床版の損傷調査などを業務としています。
 昨今は同じ一般財団法人の橋梁調査会が上手く機能しだして、橋梁診断の業務が充実しつつあるのですが、診断を受けた橋に対して側面から化学的な対策支援を担うことができればと考えています。
 現在の技術的なトピックとしては、耐候性橋梁の保護性錆の生成状況の判断や、異常な錆が生じた場合の対策方法があります。錆の判定には日鉄住金防食(株)により開発された(イオン透過抵抗法を利用した)RST計測器の現場での活用の検討を、橋梁調査会とともに3者で進めています。凍結防止剤を含む排水の不備などにより、速やかな補修が必要なエリアを素早く判定し、損傷エリアが広がらないうちにブラスト、高圧水による洗浄、塩分計測を経て塗装する対策を推奨します。橋の長寿命化と維持管理コストの低減に寄与できると思っています。


耐候性鋼材の損傷

RST計測器で耐候性鋼材の状況を調査

 ――耐候性鋼材のブラストは非常に難しくコストも割高になると聞きます
 西川 そうしたニーズに対応するためにブラストの投射のノウハウなどの蓄積からより効率的な手法を提案したり、新たに開発される有望な技術をウォッチしたりしています。今後2,3年で実用化が期待される技術としては、レーザーを使ったブラスト代替技術があります。これが実用化されれば添接部や隅角部も効率的に塗膜除去および素地調整可能になると見て期待しています。
 ――ありがとうございました

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