急速に業績を回復
OSJB 補修補強、ニューマチックケーソンが利益を押し上げ
OSJBホールディングス株式会社
代表取締役社長
井岡 隆雄 氏
オリエンタル白石と日本橋梁を傘下に置くOSJBHDは、オリエンタル白石が業績を順調に伸ばしてきていることから、急速に業績を回復してきている。その要因として、不採算案件の減少、橋梁の補修補強、ニューマチックケーソンなどを中心した利益率の向上などが挙げられる。その詳細について、工事畑出身で現場が長く、親分肌の井岡隆雄社長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)
保守的すぎた? 中期経営計画
実際は大幅に上方修正
――経歴書を見ると工事畑出身で現場が長いですね(下表)
井岡(いのおか)社長 新幹線から始まり、初めての日本道路公団(現在のNEXCO)の現場で合成桁の製作、架設を担いました。以降、日本道路公団を中心に様々な現場を体験しました。不採算工事にしてしまった橋梁の鋼板補強現場もあります。不採算工事は、技術者的にもつらい経験でしたね。
井岡社長経歴
その後、営業を経て本社の施工技術本部工事部長に就任しましたが、その矢先に会社が倒産してしまい、それからは(立て直しに)懸命でした。このところ漸く一息ついて設備投資などに手が回るようになってきたと思います(後述)。
――今年度の実績と来年度の見込みおよび中期的な経営状況は
井岡社長 平成27年度からの3カ年で中期経営計画を立てましたが、少し保守的に作り過ぎました。
――といいますと
井岡 中期計画の立案時(平成26年6月)は、日本全体の建設業界がどこに行くか予測できない状態であったため、より厳しく見積ったわけですが、現在は右肩上がりではないにせよ業界の景況は現状維持ないし回復よりになってきています。当社も昨年度(平成26年度)は受注高455億円(中期計画当初418億円)、売上高443億円(同430億円)、経常利益17億円(同13億円)、今年度は受注高447億円(同422億円)、売上高450億円(同444億円)、経常利益18億円(同12億円)を見込んでいます。来期は、売上は同規模ながら、経常利益は20億円程度を目指したいと考えています。
不採算工事の減少が要因
利益の出るセグメントが売上増
――上方修正の要因は
井岡 1つは現場力の向上、もう1つは不採算工事の減少です。今後はさらに現場経費の削減を図るほか、適正な利益を上げることを前提に受注するという基本方針を維持していることから、利益率のさらなる向上が見込まれます。
もう1つは、収益性の高いセグメントの売り上げが増えていることが大きく寄与しています。
――内訳は
井岡 新設橋が約150億円(PC100億円、鋼橋50億円)、ニューマチックケーソンが約100億円、建築(耐震補強、プレキャスト建築)が約40億円、一般土木(橋梁下部、シールド、地盤改良、PCタンクシェッドなど)が約50億円、橋梁上下部の補修補強が約100億円です。ここ数年で最も利益率が低い新設橋の割合が減り、利益率が高い補修補強やニューマチックケーソンの比率が向上しました。これが全体の経常利益をかさ上げしています。
オビラシケ川橋の架設