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保全は床版の疲労損傷、塩害対策などが主

千葉県 北千葉道路、妙典橋などまだまだ盛んな道路建設

千葉県
県土整備部長

永田 健

公開日:2015.09.16

北千葉道路は14橋を施工
 平成28年度の区間供用を目指す


施工中の橋梁一覧

 ――主要事業の進捗概要について
 永田 道路構造物を多く施工している路線としては北千葉道路と長生グリーンラインがあります。北千葉道路はランプ橋含め14橋(全て鋼橋)、長生グリーンラインは7橋を予定しています。また、特徴のある橋梁としては一般県道船橋行徳線の江戸川放水路渡河部で(仮称)妙典橋の建設を進めています。
北千葉道路は印西市若萩~成田市大山までの13.5㌔が事業区間で千葉県が印西市若萩~成田市北須賀までの西側4.2㌔と成田市押畑~大山までの東側3.7㌔を担当し、国が中央の成田市北須賀~押畑間5.6㌔を担当します。現在、東側は用地買収を進めており、西側は橋梁工事などを全面展開しています。
 ――北千葉道路の橋梁は数が多い上に橋長が長い(約600㍍の橋梁が4橋)印象を受けます
 永田 印旛沼や印旛捷水路などを渡河する必要があることや、旅行速度を確保するためには(勾配をつけずに)一定の縦断で道路を建設する必要があるということで、比較的橋長の長い高架橋を採用しています。もう1つ線形が成田スカイアクセス線に沿っているという理由があります。道路は起点側から印旛沼を渡河してから暫くの間、上下線が線路を挟む形で配置しており、船形付近で道路が上下線とも北に振れます。線形を同じくしたのはアセスメントや都市計画を同時に行うことができるためです。


(左)9号橋(仮称)/(右)4号橋(仮称)

 ――北千葉道路の具体的な進捗状況は
 永田 現在、供用済みの区間は、国が担当する北須賀~船形間1.8㌔で、県が担当している西側区間は橋梁上部工を施工している状況です。上部工の施工は基本的にトラッククレーン+ベント工法です。水上部の架設は、水上部にベントを設置して桁を架設し、桁の上に覆工版を敷きながら、その上にクレーンを乗せ、張り出し式で桁を架設していきます。。
 ――沼沢地や干拓地のため地盤は悪いと思いますが、基礎はどのような工法を採用しましたか
 永田 場所打杭のほか、鋼管杭やSC+PHC杭、鋼管ソイルセメント杭といった既成杭を採用しています。軟弱地盤では支持層が深く、杭長が30㍍を超えているものもあります。水上部では鋼管矢板井筒基礎を採用しています。
 ――鋼橋の防食は
 永田 ライフサイクルコストを考慮して耐候性鋼材を裸仕様で使用していますが、印旛沼を渡る(仮称)印旛捷水路橋と(仮称)印旛沼渡河橋は、豊かな自然環境と調和を図るため、普通鋼材に塗装を施しています。また、暴露環境の厳しい一部の橋についても普通鋼材に塗装を施しています。
 ――供用目標年次は
 永田 千葉県が所管する西側区間は、平成28年度までの供用を目指しています。印西市吉高の国道464号との接続部までは完成4車線で供用し、国道464号から東は成田スカイアクセス線の線路の北側の2車線で暫定供用する予定です。なお国土交通省の残区間(成田市船形~押畑(国道408号との接続部)まで)は平成30年度の供用を目指し工事が進んでいます。

長生グリーンラインは7橋予定

 ――次に長生グリーンラインについて
 永田 長生グリーンラインは、圏央道と接続し、長南町から茂原市を経て、一宮町に至る延長約11㌔の道路です。既に国道409号から圏央道・茂原長南ICまでの700㍍については供用済みであり、現在、茂原長南IC~茂原市道1級10号(広域農道)間6.5㌔について工事を進めています。


長生グリーンラインの概要

 ――主な構造物は
 永田 橋梁は全部で7橋あり、すでに1号橋が完了しています。2号橋(96㍍、3径間連続非合成鈑桁)は桁架設中で、3号橋(82㍍3径間連結PCコンポ桁)は下部工を施工中で、上部工の発注準備を進めているところです。4~7号橋は未着手です。


今年度着工予定の橋梁一覧

 ――供用年次目標は
 永田 平成31年度までに茂原長南ICから県道茂原大多喜線までの約4㌔を供用する予定です。

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