平成3年以来施工件数は数千件
久野製作所 土木分野におけるWJのパイオニア
株式会社久野製作所
代表取締役
久野 浩二 氏
同一製品による高品質を確保
アライアンスの拡大目指す
――今後はどのような点に考慮し、技術を伸長させて社業を発展させますか
久野 まず、同一の機械を有する会社同士のアライアンスを拡大させていこうと考えています。当社の長所はポンプ以外の機械を全て自社製作できる点にあります。しかも現場で生じた問題をフィードバックしながらツールを改良できますので、単なる製作したノズルなどのツールは、協力企業の皆様にも販売しています。同じ機械を有しているということによるメリットは、同じ品質を確保できる――品質標準の確保――ということにつながります。現在WJの仕事は増加しており、時には1社だけで対応できないこともあります。そうした時に全く違う機械を有するWJ専業会社とは、品質の点でばらつきが出やすくなりますが、同機械(の種類)を共有している会社同士であれば段取りも含めスムーズに施工ができます。
WJ削孔技術について研究会立ち上げ
もう1つは、PCのケーブルやアンカーボルトの設置などに使用するWJ削孔について、年内にも研究会を立ち上げる予定です。WJによる削孔技術は金属性の削孔機に比べ、内部の鉄筋を傷つけず、コンクリートのマイクロクラックも引き起こさず削孔できる優れた性能を有しています。同技術は当社が特許を保有しており、その普及、性能向上を目指すため志を同じくする同業他社に呼び掛けて設立します。
WJによる削孔はマイクロクラックや鉄筋の誤切断を起こすことなく確実に施工できる
削孔部の拡大写真
――WJ以外の分野については
久野 WJの2軸、3軸のはつり機械の技術を応用して狭隘部へのポリマーセメントモルタルの吹付けができる機械を製作しています。また、高性能床版防水の施工を自動化、高速化するに際し、床版用WJ機械の技術を応用した自動吹付機を開発、納入しています。当社はWJ専業という基本スタンスを変えることは考えておりませんが、特殊機械製作会社として、WJで培った技術を応用した機械は、クライアントの求めに応じて製作していきたいと考えています。
――ありがとうございました