福美建設 自社の経験を生かした点検・調査・補修 支援システム
小規模橋メンテナンスシステム「ARCHIST(アーチスト)」を7月に販売開始
福美建設株式会社
取締役副社長
竹内 祥一 氏
長野を地盤とし、信越、東海地方で橋梁を中心とした保全工事に活躍する福美建設は、自社の経験を生かし、小規模橋梁に特化した調査・点検・支援システム「ARCHIST」を7月に発売する。その内容について同社取締役副社長の竹内祥一氏に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)
平成16年にインフラメンテナンス事業部を立ち上げ
売上の3分の1を占めるまで伸長
――福美建設について
竹内副社長 当社は来期(同社の会計年度は7~6月)で法人として50期、創業65年を迎えます。当社の先代の社長は石工をしており、災害復旧を主にした土木工事を展開していました。昭和36年に長野県南部を襲った三六災害から河川堤防や護岸などの仕事が増加、徐々に業容を拡大し、昭和41年に法人化しました。17年前の長野五輪時が売り上げのピークで、それ以降は横ばいが続いています。
そのため何かしなくてはならない、と考え、平成16年にインフラメンテナンス事業部を立ち上げ、橋梁の補修補強を専門として実績を伸ばしてきました。現在はさらにインフラ保全に注力すべく、2年前の社名変更(丸福久保田組から福美建設へ社名変更した)と同時にインフラ保全事業本部に名称変更しました。しかし今でも受注の主力は橋梁とトンネルです。同事業本部の売り上げは全体の3分の1弱を占めます。
55万橋の小規模橋が対象
――橋術家ARCHIST(アーチスト)というメンテナンスシステムを構築していると聞いています
竹内 今、国内の橋梁に占める15㍍以下の小規模橋は55万橋に達します。その小規模橋梁の補修補強をターゲットにしたシステムで、Archはアーチ=橋梁を指し、istを付けることで「橋術家」という意味になっています。ARCHISTは橋梁調査点検用アプリ「ピトレ(PITTORE)」と橋梁補修積算・見積管理システム「ベッキオ(VECCHIO)」、亀甲ひび割れ延長計測アプリ「パノラミカ(PANORAMICA)」からなります。
ピトレのメニュー画面。タブレットで操作可能だ