26年度までに40橋を対策
35橋を優先対策
――橋梁の長寿命化修繕計画に基づいた対策の進捗状況は
仲村 平成24年度および25年度に実施した詳細点検の結果、対策が必要な橋梁は70橋という結果が出ました。25年度までに24橋が完了しており、平成26年度は16橋で事業実施していました。未着手は30橋です。未着手の橋梁はできるだけ速やかに補修補強していきます。
主な補修補強としては平安座海中大橋(280㍍、中央径間が2径間連続PC斜張橋、左右側径間が2径間連続PC箱桁)で平成24年から補修補強に着手しており、床版・地覆のひび割れ個所への注入工(「DDビックス工法」)及び断面修復工、落橋防止チェーンの設置などを行っています。また、塩害対策として表面含浸工(「プロテクトシルCIT」)も実施しています。
同様に世開橋でも床版・地覆のひび割れ個所への注入工及び断面修復工、表面含浸工、シート系(1,570平方㍍)及び塗膜系(630平方㍍)の防水工を実施しております。また、平成26年度からはRC橋脚の巻立てを行っています。
平安座海中大橋の全景 主桁のひび割れ
地覆部の漏水・遊離石灰 斜材(ケーブルブラケット)の防食機能の劣化
斜材定着部の充填材漏出
――管内の橋梁について床版防水工の設置および未設置は把握されていますか。把握されていましたら設置数を教えてください。
仲村 平成14年度以降に建設した橋梁については設置しておりますが、それ以前の橋梁については詳細調査を実施する際に確認しているところです。
――橋梁上部工の補修補強について
仲村 25㌧対策については指定13橋のうち3橋が事業中で4橋が完了済みです。
また、平成26年度は県道153号線Cランプ2号橋の主桁(鋼鈑桁)を補強材で補強するとともに塗装を塗替え、床版のひび割れ注入を行いました。また、県道6号線の高架橋において、地覆の断面修復、橋台等のひび割れ注入を行っています。
県道153号線C・Dランプ橋
――地覆の損傷はやはり塩害が原因ですか
仲村 損傷した現場は転落防止柵を地覆にスリーブを取らないで抱き込む形で直打ちしていました。現象として面白いのは、高架橋の下の雨にぬれない部分がひび割れを起こし、雨にぬれる部分はひび割れを起こしていなかったことです。打ち方としては、昔は今回のような直打ち、 その後スリーブをとって後で無収縮モルタルを注入する方法、最近はアンカーで止める方法に代わって、ごく最近はまた抱き込む形に変わってきているわけですが、なぜこうした現象が起きたのか調べてみたいと考えています。
来年度は県道153号のDランプ橋で主桁の補強、塗装の塗替え、支承取替、床版のひび割れ注入を行います。
主桁の補強
――支承の取替やジョイントの交換について
仲村 支承は世開橋(名称)の1橋、ジョイントは仲泊第1高架橋ほか3橋でそれぞれ交換しています。
――塗装の塗り替えについて
仲村 平成26年度は県道153号のCランプ橋で約2,500平方㍍塗り替えました。27年度は、同Dランプ橋で3,000平方㍍を塗り替える予定です。
塗膜の除去については塗膜剥離剤(「インバイロワン工法」)の実績があります。
塗膜剥離剤の施工
――ありがとうございました
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