ゴムジョイントに表面の劣化が発生
順次補修を実施、漏水樋の設置も
――ジョイントの劣化状況と今年度取替数量については。
羽野 供用から20年程度経過したゴムジョイント(遊間幅は30~100㍉弱)はゴム表面の劣化が発生しており、走行性が阻害されているため順次補修を実施しています。今年度は福岡高速において粕屋線・環状線の約400㍍、北九州高速で1・4号線の約60㍍をそれぞれ予定しています。走行性は健全ですが、漏水が多い箇所については、桁の端部に漏水樋の設置なども行っています。
――コンクリート剥落防止対策の進捗状況は。
羽野 供用の古い路線の壁高欄、水切りに対する全体的な対策は完了しており、現在は定期点検で発見した第三者被害のおそれが懸念される損傷に対して、剥落防止対策を実施しています。
また、老朽化・予防保全対策を行っている香椎線において、橋脚の天端部等に発生しているひび割れやはく離損傷に対して、ひび割れ注入や断面修復を行うと共に柔軟性を有するウレタン樹脂等により被覆する天端防水工や剥落防止工等を進めています。
――写真を見るとアルカリ骨材反応による劣化のようにも見えます。
羽野 疑わしいため福岡大学の添田政司教授に分析を依頼した結果、これ以上の膨張は無いという指摘をいただきました。また同所は建設当時のコンクリートにフライアッシュを混ぜていたため、それが良い方向に作用したようです。
シラン系含浸材を一部で採用
――コンクリート構造物の長寿命化のためにシラン系やけい酸塩系の含浸材の採用はありませんか。
羽野 コンクリート構造物の予防保全を目的として、シラン系含浸材を一部で採用しています。
――耐震補強の進捗状況は。
羽野 平成7年の兵庫県南部地震で落橋・倒壊等の被害がみられた橋梁と同様の構造を有するものについて、構造的な弱点となる単柱橋脚の鉄筋の段落とし部の補強や、落橋防止装置の設置等の対策については、両高速共に完了しています。
――道路騒音対策の進捗状況は。
羽野 遮音壁は必要な個所について設置を終えています。低騒音舗装については、福岡高速道路で56.8㌔中49.4㌔、北九州高速は49.5㌔中17.8㌔を実施済みです。