新年交礼会を開催
橋建協 協会創立60周年の節目の年
日本橋梁建設協会(川畑篤敬会長 右肩写真)は、1月12日、ザ・キャピトルホテル東急で新年交礼会を開催した。会場には、会員企業など約300人が出席した。
冒頭のあいさつで川畑会長は「2024年は協会創立60周年の節目に当たる年」であることに言及し、「これからも協会活動を確りと継続していきたいと考えている。今年の干支は甲辰である。日本のインフラ整備という芽が再び成長し、災害に負けない強靭な国土を形成することを願っている」と述べた。
また、能登半島地震について深く哀悼の意を示すと共に、「北陸地方ではちょうど60年前、1964年に新潟地震が発生した。同地震では地盤の液状化によって、橋脚が損傷し、単純桁の多くが落橋したため、桁の連続化が進められてきた。その後も大きな地震が発生するごとに設計が見直されてきて、現在では地震時の変形あるいはエネルギーの吸収といったものを考慮した設計が行われ、また耐震設計が行われてきて、地震に対する強靭化というのは進んできている。しかしながら、南海トラフによる大きな津波の到達が予想される四国や九州南部などでは高規格自動車道路の整備自体が、まだまだ未整備である。また、梅雨や台風時期においては古い橋梁が流失するという新たな災害も頻発している」と述べ、、国土強靭化に有用なピアレス橋梁をはじめとした、様々な橋梁の提案を協会を挙げて、行っていきたい」と鋼橋業界としての貢献の意欲を示した。
一方で「昨年度7月6日には静岡県の橋りょう建設現場で架設中の桁が落下する死傷事故があった。協会としては再発防止に向けて、鋼橋架設工事の事故防止対策を策定し、安全対策の徹底した見直しを行っている。墜落災害の防止を目指した協会としての統一行動も徹底して行っている。現場所長・作業責任者・作業者自身のそれぞれが安全上の責務と行動を意識して作業に臨むことを強く求めていくものであり、今年も災害の発生を、協会の総力を挙げて防止して行きたい」と決意を示した。
また、今年4月から始まる超過労働時間単位の厳格化など働き方改革への対応、設計と製作、施工のデータ連携をはじめとした、i-bridgeあるいはDXの活用による作業効率の改善についても、「協会が会員企業のみならず、発注者あるいは設計者と連携して取り組んでいく、これらの課題についてもしっかりと対応していきたい」と語った。
最後に発注量の減少について「平成時代は20万tを下回ることは殆どありませんでした。しかしながら令和に入ってからは年間発注量が20万tを超えたことはありません。発注量の低下は設備投資や人材の採用・育成など鋼橋を製造する工場を有する業界にとっては、不安を抱くような状況になっている」と述べ、「協会として長スパン化や復旧の迅速化、景観性に優れていることなど、鋼橋の優位性を今一度ご理解いただき、積極的な採用をお願いしていきたい」と結んだ。