センターパイプ・センターブロックを全国20路線、延べ約13kmに順次設置
NEXCO3社 暫定2車線区間での区画柵試行設置箇所を拡大
NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本は3日、暫定2車線区間での高速道路の正面衝突事故防止対策として、区画柵の試行設置箇所を拡大することを発表した。2021年10月から全国5路線、延べ約1.2kmに新たな区画柵であるセンターパイプおよびセンターブロックを試行設置していたが、その対象を20路線、延べ約13kmに拡大して順次設置を進めていく。
区画柵試行設置の概要(NEXCO3社提供。以下、同)
NEXCO3社は、同対策で土工部および橋長50m未満の中小橋梁についてはラバーポールに替えてワイヤーロープの設置を進め、2022年度末までに概ね完了させた。橋長50m以上の長大橋梁およびトンネル区間については、土工部・中小橋梁と比べて道路幅員が狭いことによる課題や、長大橋梁では路面下に床版が、トンネルでは中央部路面下に中央排水溝などの既存設備があるため、支柱を打ち込めないなど固定方法の課題があり、ワイヤーロープを設置することが困難だった。そのため、ワイヤーロープに替わる区画柵の設置が必要となり、公募により5技術を選定した後、基本的な性能確認や車両の逸脱性能、誘導性能などを有することが確認されたセンターパイプとセンターブロックを選定した。
センターパイプは、連続性を担保した2本の丸型鋼管によって構成される鋼製補強体を連結させ、アンカーボルトで舗装面に固定にさせる。
センターブロックは、鉄筋コンクリート製の壁部材を、継手により縦方向に連結して一体性を持たせ、鋼板を介して摩擦力により抵抗し、舗装面に設置する構造となっている。いずれも高い衝撃緩和性能などを有し、事故等の緊急時には短時間で開口部を設置することが可能だ。
衝突実験状況と開口部設置作業