NEXCO3社(東・中・西)は、高速道路の更新計画において、新たに約500km(上下線別のべ延長約960km)において約1兆円の概算事業費が必要になると発表した。定期点検及び変状箇所における点検技術の高度化を踏まえた詳細調査の結果、著しい変状が確認されたものが対象。詳細点検やこれまでと異なる損傷が生じている状況を踏まえて「高速道路資産の長期保全および更新のあり方に関する技術検討委員会」(長期保全等検討委員会)を2020年1月から再開し、今月30日の会議において「中間とりまとめ」がNEXCO3社に提出され、それをもとに追加の更新計画を取りまとめたもの。
橋梁では桁の架替え、グラウト充填材の再注入が延長約30km(のべ延長約50km)で約2,500億円。床版取替が約20km(同約30km)で約4,500億円。土工・舗装では舗装路盤部の高耐久化において約440km(同約870km)で約2,400億円、切土区間のボックスカルバート化+押え盛土2箇所約200億円、盛土材の置換が約4km(同約8km)で約400億円。これらを積み上げた総額が約1兆円となる。
現行更新計画(約4兆円)の契約ベースの進捗率は3社合計で35%で各社内訳はNEXCO東日本が21%、NEXCO中日本が52%、NEXCO西日本が35%。今回発表された中間とりまとめに基づく追加更新計画の各社内訳は、東日本が対象延長約180km(のべ延長約350km)で概算事業費約3,000億円、中日本が同約130km(同約250km)で同約4,000億円、西日本が同約190km(同約360km)で同約3,000億円となっている。
また、上記の新たに更新が必要となった個所と同様の構造・基準の箇所などにおいて、今後著しい変状に進行する可能性があることから、今後の点検結果などを踏まえて更新事業の追加を検討していく。
新たに更新が必要な箇所の例(西湘バイパス 滄浪橋)(井手迫瑞樹撮影)
中間とりまとめを踏まえた更新計画必要性がある構造物(橋梁)(NEXCO3社提供)
中間とりまとめを踏まえた更新計画必要性がある構造物(舗装)(NEXCO3社提供)
中間とりまとめを踏まえた更新計画必要性がある構造物(土構造物)(NEXCO3社提供)
更新計画の概要と概算事業費