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幅50~150mmの桁遊間については、充填可能施工延長(橋軸直角方向)最大10mから17mに

中井商工 桁端部側方型充填工法専用充填材『3eシール』の適用範囲を拡大

公開日:2022.03.07

 中井商工は、PC・RC橋梁桁端部の伸縮装置直下における漏水を防止するために設けている桁端部側方型充填工法専用充填材『3eシール』の適用範囲を拡大し、製品展開を進めている。幅50~150mmの桁遊間については、充填可能施工延長(桁幅員)最大10mから17mに対応範囲を拡大した。さらに幅40~50mmの小遊間に対しても充填可能施工延長最大10mまで対応できるようにした。(井手迫瑞樹)


施工概要図

施工必要高さ

 さらなる小遊間化、延長増大化を目的とした追加の社内施工確認実験に加え、実工事物件において延長14mの伸縮桁遊間にも問題無く施工を行った実績などから、上述の通り適用範囲を拡大した。
 同製品の工事実績は25物件以上に達している。同社では今回の適用範囲拡大の変更により、幹線道路や高速道路における適用を積極的に働きかけていく方針だ。

施工前の外観と遊間

 同製品は、作業空間が小さい遊間に道路橋側面からポンプを利用した圧送により、防水ラインを形成する充填材だ。道路橋側面から施工するため、交通規制が不要で、車線を供用したまま施工することができる。
 硬化前は小型ポンプで圧送可能な高い流動性を示す一方で、硬化後は優れた伸び物性を示す材料特性により、桁遊間の伸縮挙動に追従する防水ラインを桁遊間内に形成でき、雨水などの支承部への流入をシャットアウトする。融雪剤による橋脚部への塩害も防止でき、橋梁の予防および事後保全として期待できる。
 PC・RC橋の桁端遊間は小さく、作業空間の狭さからメンテナンスが困難な箇所であり、遊間止水材の補修の遅れや、特に古い橋梁では止水材が設置されていない箇所も存在し、支承など遊間下の構造物は土砂堆積・融雪剤などの影響で非常に過酷な環境下に晒されている。そうした箇所に用いることで、手軽に桁端部の高耐久化を実現できる。

 施工は、まずガイドワイヤーを幅員全体に渡す形で配置し、遊間内部を清掃、漏止め材を設置し、接着プライマーを塗布、主材となる3eシールを充填し、端部排水装置を設置して完成となる。清掃~シール充填の作業は全てガイドワイヤーを設置して行う。


施工状況写真

施工完了後の外観

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