研修棟(延べ床面積1,000㎡強)、橋長20mの2径間3主桁の研修用橋梁も備える
ショーボンド建設 つくば研修センターを設立
ショーボンド建設は、つくば市にある同社補修工学研究所の隣地につくば研修センターを設立した。敷地面積は4275.6㎡で研修棟(延べ床面積1,000㎡強)の他、橋長20mの2径間3主桁の研修用橋梁(10m×2、幅員7.7m)も備えている。同社の岳尾弘洋代表取締役副社長兼補修工学研究所長は、同研修センターを新設した目的について、「安全・施工・座学の3つの面から技術を研修できる施設として建設した。損傷メカニズムから補修の着目点とその根拠、施工上の留意点、安全も含めた施工の際の意識、管理のポイントを伝える場として使っていきたい。当社の社員や協力業者の職長、技能者だけでなく、建設コンサルタントや、地方の橋梁を中心とした土木構造物の補修に携わる会社の皆様、海外のパートナー会社や実習生にも積極的に使っていただき、公益にも資する施設としていきたい」と述べている。
施設外観
研修橋梁および研修棟
ラウンジも清潔で広い
敷地概要図および研修棟概要図
自社製品をふんだんに使った研修橋梁 鉄筋探査や補修補強の実習行う
研修棟は、講習室、施工研修室、安全研修室などから構成
研修用橋梁は下部工から全て建設している実橋そのものの橋梁で、鋼桁(3主鈑桁、桁高1.6m、RC床版(床版厚220mm)、ジョイント(自社製のゴムおよび鋼製ジョイント)、高性能排水桝(ショーボンドMS)、検査階段(亜鉛メッキ)などで構成されている。また、ジョイント裏込めの一部断面はコンクリート打設をわざと行わず、同社の高耐候性防水材『クリアプロテクト工法』を用いて鉄筋の配置状況を見える化し、初心者にも配筋状況が分かるようにしている。また、床版上の舗装はアスファルト舗装ではなく、低弾性ラテックス改質超速硬コンクリート『コンパクトジェット-L』による舗装を平均80mm厚施している。橋台の鉄筋は故意に径が違ったものを仕込んで置き、鉄筋探査でそれを調べる実習が行えるようにしている。また、桁下では足場仮設、耐震補強工事、各種床版下面補強工事、支承取替やブラケット取付けなどの実習を行っていく。先々、上面に関しても同様の補修補強の実習を行っていく考えだ。
研修橋梁外観/桁下ブラケット/排水樋、橋脚
高性能排水桝(ショーボンドMS)、自社製ジョイント、クリアプロテクト
上面はコンクリート舗装を施工
研修棟は、講習室、施工研修室、安全研修室などから構成されている。講習室は同センターの座学の中心として建設されたもので、最大50名程度が受講できる。施工研修室は様々な補修材料の取扱いを実際に施工しながら学習できる。
研修棟は最大50名程度が受講できる広さ
施工研修室/供試体
安全研修室は実際の足場で不安全な箇所を確認できる設備や安全帯のぶら下がりを体感できる設備、マネキンによる墜落衝撃を実感できる設備を有している。加えてVRによる危険を疑似体験できる設備も有している。橋脚の外周への足場の設置訓練を行う空間も用意している。
安全研修室全景/墜落衝撃を実感できる設備も/橋脚の外周への足場の設置訓練を行う空間
VR空間