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新東名高速と中央道が自動車専用道路で接続

NEXCO中日本・国土交通省 新東名高速と国道138号バイパスの4月10日開通区間を現場公開

公開日:2021.03.24

 中日本高速道路(NEXCO中日本)東京支社と国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所は19日、4月10日に開通する新東名高速道路の新御殿場IC~御殿場JCT間と国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間)の須走口南IC~ぐみ沢IC間の現場を報道陣に公開した。


開通区間の概要

新東名高速道路
 開通区間は延長7.1kmで、橋梁高架部が5.7km、土工部が1.4kmだ。完成6車線の用地買収は完了しているが、暫定4車線(設計速度100km/h)での供用となる。
 新御殿場ICから土工部までの橋梁は、施工時には仁杉高架橋(700m)、ぐみ沢上高架橋(899m)、ぐみ沢下高架橋(951m)、杉名沢第一高架橋(852m)、杉名沢第二高架橋(750m)となっていたが、延長約4Kmの連続高架橋として新御殿場橋と名称が決定された。土工部から御殿場JCTまでは延長約1km超の新駒門東高架橋となっている。
 施工の特色では、新御殿場橋の両側を除く3連(ぐみ沢上・下高架橋、杉名沢第一高架橋/約2.7km)でUコンポ橋を採用して工期短縮と省力化を図った。土工部の盛土工では、トンネル掘削や切土工で発生した土砂を活用するとともに、ドローンによる3次元測量やGNSS(全球測位衛星システム)で重機を管理するといったICT土工を行い、施工の効率化・高精度化を実現したという。
 開通区間は霧が発生することが多いことから、低位置照明を採用。視界不良時には路肩を強調して照らすといった配光制御も可能だ。また、勾配のある御殿場JCTランプ部には、ロードヒーティングを設置。これらにより、交通の安全性を向上させている。


新御殿場IC。出口正面には富士山

新御殿場高架橋/御殿場JCT

(左)御殿場JCT Cランプ(新東名から東名・名古屋方面)。手前は供用中のAランプ(新東名・名古屋方面から東名)、奥が新東名本線
(右)盛土工ではICTを活用。側道は御殿場市が整備中

御殿場JCTランプから。新御殿場ICから秦野ICまでは2023年度の開通を目指して工事が進められている。右写真は、同日に開通する県道仁杉柴怒田線

低位置照明

低位置照明の概要

国道138号須走道路・御殿場バイパス(西区間)
 同道路は、東富士五湖道路と接続し、広域道路ネットワークを形成する延長8.1kmの道路。国道138号現道が観光交通と生活交通の混在により観光期を中心に主要交差点で激しい渋滞が発生していることなどから沼津河川国道事務所が整備を進めてきた。
 今回開通するのは、須走道路・須走口南IC~御殿場バイパス(西区間)・ぐみ沢IC間の延長5.2km(暫定2車線)で、御殿場バイパス(西区間)の仁杉JCTと新東名高速の新御殿場ICが自動車専用のアクセス道路で接続される。開通区間には、本線橋が8橋(須走道路5橋、御殿場バイパス(西区間)3橋)あり、構造物比率は17%となっている。
 須走道路の須走IC~須走口南IC間(延長1.1km)と御殿場バイパス(西区間)のぐみ沢IC~御殿場市萩原間(延長1.4km)は開通済み、ぐみ沢ICから新東名高速に直結する高架部が整備中だ。
 同道路の特色は景観に配慮した付帯設備だ。防護柵はガードレールではなく、開放感のある2段のガードパイプを採用し、色彩もダークブラウンとして色味を抑えたものにしている。また、橋梁壁高欄上の防護柵の両端を斜めにすることで圧迫感を軽減させるとともに、防護柵をメッキ塗装とすることで自然に溶け込ませる工夫を行った。


仁杉JCT/(左)奥が須走口南IC方面(右)須走側から新御殿場ICへ

水土野IC付近。暫定2車線だが、勾配部やIC付近には付加車線が設置されている

須走口南IC

2段のガードパイプ。色彩も景観を考慮して決定した/橋梁の防護柵は両端を斜めにしている

新東名・新御殿場橋上から。右側が国道138号バイパスのぐみ沢IC。新東名に直結する高架橋の工事が進んでいる

 今回の開通により、御殿場市内の混雑緩和や山梨県と静岡県とのアクセス性向上が期待されているほか、東名高速、新東名高速と中央道が自動車専用道路で接続されることから災害時などのリダンダンシー効果も期待されている。
(2021年3月24日掲載)

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