1.新潟支社管内の概要
新潟支社は、429.9㌔の道路管理と上信越道(信濃町IC~上越JCT)37.5㌔の4車線化事業を担当している。供用区間の内、上信越道、磐越道の全区間と日東道の新潟空港ICから荒川胎内IC間合計121.4 ㌔(管理延長の28%)が暫定2車線となっている。図-1に路線図、路線別の供用延長を示す。
供用区間の橋梁延長は、53.9 ㌔(下り線)で、管理延長に対する橋梁比率は12.5%となっている。図-2に橋種別の比率を示す。
図-1 新潟支社管内路線図、供用延長 図-2 橋梁の橋種別構成比率
2.環境と劣化要因
H25年度の各路線の交通量及び大型車混入率は表-1のとおりである。管内全体の日平均交通量は17,400台/日で、最大は北陸道 巻潟東IC~黒崎SIC間で43,800台/日である。大型車混入率は、管内平均で約25%である。
表-1 新潟支社管内の交通量と大型車混入率
各区間の開通後の経過年数を表−2に、橋梁の経過年数別割合を図-3に示す。最も経過年数が長い区間は、関越道の長岡ICから北陸道の新潟西IC間で約37年が経過している。30年以上経過した橋梁の延長割合は、38.8%、20~30年経過した橋梁の割合も34%と高く、今後急速な老朽化の進展により、変状の急増が懸念されている。
表−2 各区間の開通後の経過年数 図-3 橋梁の経過年数別割合
環境面では、管内全域が積雪寒冷地で、特に関越道および上信越道の山間部は、気温が低く世界有数の豪雪地帯である。このため、管内全域で凍結防止剤の散布量が多く、健全度の低下が顕著となる供用からの凍結防止剤の累積散布量が1㌔当たり1,000㌧を超える区間1)は、現在約52%でああるが10年後には100%になると予測されており、凍結防止剤散布が塩害の大きな要因となっている。一方、北陸自動車道の海岸線近くを通過する区間では、冬季の日本海からの飛来塩分が非常に多く、飛来塩分も塩害の要因となっている。また、親不知海岸高架橋では、海岸の浸食が海岸保全施設の変状要因となり、波浪によって打ち上げられる、砂礫や玉石の衝突の繰り返しが橋脚コンクリートの摩耗や防護工の変状・損傷要因となっている。さらに、アルカリ骨材反応(以下「ASR」)の抑制対策が行われる以前に建設された古い路線では、ASRも劣化の要因となっている。