橋長560㍍のPC6径間連続箱桁橋
城崎大橋架替え橋の橋梁形式が決定
兵庫県が計画する城崎大橋架け替え事業の橋梁形式がPC6径間連続箱桁(560㍍)に決まった。兵庫県では神戸大学名誉教授の川谷充郎氏を座長にした検討委員会を組織し、橋梁形式の選定を進めていたが、経済性、施工性、環境性、景観性、ボート競技への配慮など8つの要求性能を鑑みた上で優れた形式として採用したもの。
完成時のイメージパース
現橋
環境面では国の特別天然記念物であるコウノトリへの対策として、現橋撤去工事を行う際に作業時間を徐々に増やし(コウノトリを)慣れさせる手法の採用、低騒音・低振動型機械の使用、架け替え橋完成後の排水処理として(円山川の水質汚濁を防ぐため)油水分離桝を経て排水する構造などが検討され、今後詳細設計で実現性を考慮しながら実適用するか判断する。
また、円山川で行われるボート競技などへの配慮として、上部工架設は張出、橋脚基礎は鋼管矢板基礎、台船施工など工期短縮を図る工法を採用するとともに、施工手順を配慮してボート競技が施工中でも実施できるようにコースを確保することも求める。
(表)工事中、完成後の環境、治水性、ボート競技への配慮
景観面では、桁の連続性やリズム間を確保するため各支間のバランス(中央4径間は約110㍍、左岸および右岸は約60㍍)に配慮するほか、橋梁のプロポーションを引き締め、橋台との床版端部・地覆のラインを合わせて一体感を向上させることを目的にフェイシアラインを工夫している。合わせてコンクリート部外面の防汚(カビ)対策として、コンクリートの密実性を確保するとともに、含浸材を表面に塗布することを検討している。
一方、橋の内側の景観も周辺景観から突出しない形状、色彩にするべく詳細設計で検討する。
外部景観、内部景観の検討
現場は海岸部から離れているものの、潮の関係から汽水域となっている。そのため下部工についてはコンクリート被りを厚くし、エポキシ樹脂塗装鉄筋を採用することなどを詳細設計において慎重に検討していく方針だ。予備設計は八千代エンジニヤリング。