側径間部のRC床版打設は3月下旬から開始予定
気仙沼湾横断橋、斜張橋部の桁架設が佳境、5月末閉合へ
国土交通省東北地方整備局仙台河川国道事務所が所管する気仙沼湾横断橋(橋長1,344ⅿ、海上部が680mの3径間連続鋼斜張橋、陸上部が664mの7+3径間連続鋼箱桁橋)の架設が順調に進んでいる。主塔は既に架設を完了し、桁架設も半ばまで進んでおり、5月下旬には閉合する見込みだ。また、側径間部(川口地区)の現場打ちRC床版の打設も、早ければ3月下旬から開始する見込みだ。斜張橋部は朝日地区上部工がJFE・IHI・日ファブJV、小々汐地区上部工が、MMB・宮地・川田JV、陸上部の川口地区上部工を横河ブリッジがそれぞれ担当している。(井手迫瑞樹)
川口地区上部工(朝日地区主塔最上部から井手迫瑞樹撮影、2020年1月29日)
朝日地区上部工(左写真、井手迫瑞樹が同主桁上から撮影)が担当する主桁架設は23ブロック(ブロック長は平均15m程度)、総計2672.785tを架設する。
最大はP11主塔部の幅員が拡幅するJ11~J12ブロックの189.175tで最小でも118t強(P10近傍のJ3~J4ブロック)に達する。架設はP10隣接ブロックおよび斜張橋主塔部近傍の45m部分のみ斜ベントを設置した後、750tクローラークレーンを用いて施工した。P10~主塔近傍は陸上からの直下吊り架設4)、J14-A2間は2,000t積台船で桁を運び、直下吊り架設(写真)を行う。吊り上げは20tウインチを4台使用し、桁下から吊り上げ、左右のバランスを取りながら交互に架設している。
小々汐地区上部工では24ブロック(ブロック長は平均15m程度)、総計3418.4tを架設する。最大は主塔近傍の径間が拡幅するJ35-J36間の239.9tで最小は閉合ブロック(J23-J24)の114.6tである。
主塔架設後、主塔周りの主桁を架設するため、朝日地区と同様に斜ベントおよびクライミングクレーンを設置した。朝日ふ頭で地組して、750tクローラークレーンで台船に積み込み、設置位置まで運搬して、600t吊FC船で吊り上げ設置したもの。
主塔周りの主桁は斜ベントを使って600t吊FC船で架設している。J34-J36ブロック(376.2t、主塔中央径間側)は、2ブロックを合わせて地組した形で架設した。J36-J37を斜ベント上に架設、次いでJ33-J34、J37-J38もFC船を使って張り出し架設した。その後J23-J42間は施工した桁上に吊り上げ機械を設置し、 1ブロックごとに左右へ張り出している。吊り上げ機械は自動制御機能を備えたダブルツインジャッキによる4点吊り上げを実施している。同ジャッキを使用することで、各吊り上げワイヤの張力、吊り上げ速度を自動制御しながら主桁の吊り上げ作業を実施でし、施工時のヒューマンエラーを回避して、架設作業の安全性を向上させている。(右写真は朝日地区主塔最上部から小々汐地区上部工を井手迫瑞樹が撮影)
J42-S2(A2)間の5ブロック約750tについては、陸上からのクレーンで架設する。