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2月に夜間架設を2回施工、4月には多軸移動台車を用いて架設予定

NEXCO中日本 名古屋西JCT上部工架設が本格化

公開日:2017.03.09

 中日本高速道路が建設を進めている名古屋第二環状自動車道名古屋西JCTの架設が本格化している。23日および27日深夜には国道302号と東名阪道と並行して走る愛知県道115号も一時的に全面通行止めして、夜間架設を行った。このような夜間架設を今後20回以上行う予定。4月下旬には東名阪道と国道302号、県道115号が交差する島井交差点上に鋼桁を多軸移動台車で架設する予定だ。今回はその初弾工事である2月の2回の夜間架設を取材した。(井手迫瑞樹)

 名古屋西JCTの架設に当たり、国道302号上にベントなどの仮設設備や地組ヤードを確保する必要があるため、同道路の大治南ICのランプターミナル付近~島井町交差点~服部一丁目交差点までの約1,350mについて同道路を左右(東西)に振っている(南北2車線ずつは確保)。また、島井町交差点の北側には調整池があるが、国道302号北行き道路の設置に当たり、同池上に仮橋をかけて交通を確保している。


現場ヤードの一部

 23日深夜に施工したのは、同JCTCランプ橋(鋼5径間連続非合成多主鈑桁+鋼8径間連続鋼床版箱桁、橋長560.491m)を構成するC2ランプ橋のうち、国道302号直上(島井交差点より少し北)に架設する桁長28m、鋼重111tの鋼床版箱桁。すでに同桁より東部分は架設を完了している。また西側のRC12~中間ベントまでは施工ヤード内にあるため、先に架設し、今回の桁をその中間部に550t吊クレーンで吊り上げ、落としこんだ。


C2ランプ橋架設位置と架設図

C2ランプ橋の架設状況

 施工にあたっては23日22時半から規制を開始し、翌0時に通行止めを完了して、吊上げを開始し、前後の既に架設している上部工間に落としこんだ上で、仮添接した後、3時半には通行止めを完了した。
 また、27日には、Bランプ橋のRB3(鋼製門型橋脚)の梁部(延長18m、鋼重54t)を架設した。梁部分は国道302号を横架するため、国道302号と県道111号を規制した上で、550t吊クレーンを用いて地組みヤードから90°旋回(作業半径約16m、アーム高は30.5m)させて両側の柱に合わせて仮添接した。


RB3の梁部架設状況

 4月下旬には同様の夜間規制を行った上で、F3ランプ橋の架設を行う予定。


F3ランプの架設位置

 架設する桁は桁長78.3m、鋼重約300tの鋼床版箱桁。これを地組ヤードから多軸移動台車で運び、台車上のジャッキで高さを調整して所定の位置に架設する予定だ。同桁は名高速万場線の高架橋及び国道302号との余裕クリアランスが上下50cm程度しかなく、桁高を抑制する必要があった。そのため鋼床版箱形式を採用し、桁高を1.2m程度に低くした。鋼床版は通常16mmだが、最厚で34mmの箇所もあり、「厚い個所は製作時に数層の溶接が必要であり、初層から数層を炭酸ガスシールドアーク溶接で施工し、仕上げ層をサブマージアーク溶接で丁寧に仕上げて」(JFEエンジニアリング)いる。


F3ランプ桁(写真中央やや左の青いクレーンから右端までベント上にある桁)

 元請はJFEIHI横河JV。

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