首都高速道路 板橋JCT~熊野町JCT間改良工事
ダブルデッキを上下層とも拡幅、サンドイッチ工法を採用
山手通りへの影響を最小限に施工
首都高速道路東京建設局は、中央環状線(および5号池袋線)の板橋JCT~熊野町JCT間のうち延長520㍍区間の改良を進めている。同JCT間は短い延長内に合流および分流が存在しており、交通渋滞が発生しやすい状況にある。中央環状品川線の開通後は交通量のさらなる増加が見込まれているため、ダブルデッキの上下層とも両側を1.7㍍ずつ拡幅して、現行3車線を4車線に1車線増やす工事。高速道路本線部はもちろん、下の山手通りへの影響も最小限に抑えながら施工しているため、非常に難易度が高い現場となっている。工事の計画及び詳細、進捗状況を取材した。(井手迫瑞樹)
ラケット式の既設橋脚が課題
事業の概要
板橋JCT~熊野町JCT間520㍍の改良工事は、中央環状線の機能強化事業として位置付けて現在の3車線構造を拡幅し、4車線化する工事を進めるもの。平成29年度の完成供用を目指している。
520㍍区間の既設の上部構造は単純合成鈑桁×12連+3径間連続鋼床版箱桁である。改良工事により単純合成鈑桁×2連+2径間連続合成鈑桁×2連+3径間連続合成鈑桁×2連+3径間連続鋼床版箱桁となる。また、既設の橋脚はラケット式のSRC構造と鋼構造。場所打ち杭による基礎となっている。
課題は既設橋脚がラケット式であることだ。上層を支えるラケット橋脚上部の左右両側の柱によりダブルデッキの下層部はそのままでは拡幅できない。そこで既設橋脚の前後に挟み込む形で拡幅分を考慮した新設橋脚の建てこみを行う(サンドイッチ工法、後述)。既設橋脚は重交通路線である山手通りの中央分離帯内に位置しており、同路線の有効幅員に影響を与えないよう新設橋脚の柱の太さ(山手通り横断方向の幅)を最小限にしている。
現状と完成予想図
改良区間の位置
改良区間の写真 計画概要図
ステップ図